雪組 音月 桂 タカラジェンヌ 夢の軌跡
(1)大人の男性役は新しい引き出し
10月20日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子
甘くキュートな魅力の男役スター。現在、宝塚大劇場の雪組公演に出演中だ(30日まで)。
「堕天使の涙」では敬虔(けいけん)なクリスチャンのピアニスト、セバスチャン・ルグリ役。「お話が3パターンあって、私は大月さゆちゃん(バレリーナ役)と2人で恋愛担当なんです。相手のことを思って身を引く、器の大きい大人の役。いつも弟キャラの青年役が多かったし、普段の私もサバサバして何でも言うタイプ。役を通して新しい引き出しがまた増えたらいいなと思っています」
「タランテラ!」はちょっとダークなショー。「私は通しの毒グモ役で、コムさん(雪組トップスター、
朝海ひかるの愛称)のボスの分身みたいな感じで動いています。これまでにない変わった感じで好きですね」。役柄を適切に説明してくれた。
この公演で朝海と娘役トップの
舞風りらのコンビはそろって退団する。音月が平成11年に雪組配属になる少し前に、朝海も宙組から組替えになった。
「コムさんとはほぼ“雪組同期”。新人公演でコムさんの役をさせていただくことが多かったので、ずっと背中を見てきました。お化粧の仕方から踊るときの息の使い方など、全部教えていただいて。やめられるのはすごく寂しいですが、まだ実感はわかないですね。私はトップおふたりのデュエットダンスがすごく好きなので、今回はより気合を入れて、吸収できるものはすべて吸収しておこうと、舞台袖からくぎ付けで見ています」という。
埼玉・鴻巣市出身。母親が宝塚ファンで、中学生になって習い始めたバレエスタジオの先生がタカラジェンヌOG。初めて見た宝塚の舞台は「グランドホテル」(月組、涼風真世主演)だった。「なんてすごい舞台があるんだろうとトリ肌が立ちましたね。これは見てる側じゃなく、自分が舞台に立つ側に行きたいと思ったんです」
同じバレエスタジオの宝塚受験クラスに入って勉強を始め、中学卒業時に宝塚音楽学校を受験。見事に1回で合格した。
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