星組 立樹遥 タカラジェンヌ 夢の軌跡(4)
心に葛藤もつ骨太な男役が理想
9月15日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子
星組の「ベルサイユのばら」は、平成17年9月からの全国ツアー公演のあと、
11月に宝塚歌劇初の韓国・ソウル公演を行い大成功。“ベルばら”イヤーとなった今年は、元日初日の「−フェルゼンとマリー・アントワネット編」が宝塚大劇場で幕を開け、このとき立樹は革命派の新聞記者ベルナール役。その東京公演ではアンドレとベルナールを、柚希礼音とダブルキャストで演じ分けた。
「ベルナールは情熱的に物事を考えるタイプで、内に秘めるアンドレとは対照的。“ベルばら”は男性像がみんなそれぞれに素敵(すてき)で、どの役も演じてみたいですね」という。
そして、6月の宝塚バウホール公演「フェット・アンペリアル−帝国の祝祭−」では単独初主演を果たす。19世紀末のフランスを舞台にした新米スパイの恋と友情を描いた物語で、英国海軍中佐ワルシンガム役の立樹は、長身に軍服がよく似合い、007ばりのかっこよさとやさしさを見せた。
「いやー、この作品は私の中での宝物ですね。主役をやるっとことはホントに大きなこと。周りの方やお客さまに支えていただいて、初めてできるってことがよくわかりました。お客さまの反応がすごく気になりますし、こういうところで笑うんだってことも感じられました」
芝居、ダンス、歌と分けると、本人は芝居が一番好きだという。「ダンスだって何を表現するかが大事だし、歌も音符通りに歌えばいいもんじゃない。でも、お芝居には全部に通じるものがあると思うんです。音楽学校時代も私は、お芝居の成績が一番良かったですね」
理想としているのは、しっかりとした骨太な男役。「私は基本的に、女役さんをリフトして踊るのが大好きなんです。それと宝塚はやはり夢の世界なので、先輩から受け継がれてきた伝統的ないい部分を大事にしたい。こんごの夢は…心に葛藤(かっとう)をもつような役をやってみたいですね」(おわり)
次のシリーズは、月組の大空祐飛です。
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