明るい笑顔とスタイルのいい長身(172センチ)が映える男役スター。現在は宝塚大劇場で公演中の「愛するには短すぎる」「ネオ・ダンディズム!」に出演している(9月18日まで)。
芝居は英国から米国へ向かう豪華客船を舞台にした4日間の物語で、立樹は船長のマーシャル・ウェンズワース役。
「若くして船長になったエリートで、すっごいまじめ人間なんです。前半に船上で乗客全員に避難訓練を指導するシーンがあるんですが、そのナンバーがおもしろい。堅物な船長が一生懸命がんばるんです」
レビューは男役の美学を追究した作品。大階段でチャイナスタイルで踊るプロローグ、カサノヴァ風のマント姿の青年、極めつきのエンビ服姿など変化に富んだ衣装や構成が楽しい。
「かっこいいシーンが多いですよ。私的には、謝(珠栄)先生振付のシーン(惜別)は、感情がウヮーッと入る振りで好きですし、後半に涼(紫央)と2人でコミカルに歌って踊るシーン(恋する男はドン・キホーテ)は、三枚目役でホッとなごみます」と説明した。
この2作品は星組トップ・湖月わたるの退団公演でもある。「私は雪組のときから、専科時代のワタルさんとご一緒させていただくことが多かった。何に関してもスケールが大きく、人間的にも素敵な方。退団されるのはさびしいけれど、宝塚の人生を全うして、次の人生へ出発されるなんてすばらしい。少しでもいい舞台にしたいと思っています」とエールをおくった。
横浜市出身。中学3年のときに初めて宝塚の舞台を見て、入団を決意したという。
「3階席で星組の『戦争と平和』を見たんですが、日向薫さん(当時のトップ)の軍服姿がかっこよくて、入りたくなったんです。それまでは子どもが好きなので、漠然と保母さんにでもなるのかなって思っていたんですけれど」
それから毎日、東京までレッスンに通い続け、2回目のチャレンジで宝塚音楽学校へ合格する。