平成5年に入団し、「BROADWAYBOYS」で初舞台。翌年雪組に配属される。
最初に自分の中で印象に残っている作品を聞くと、「大上海」(7年、宝塚バウホール)の名をあげた。
「日本兵の役。下級生なのに主演の
和央(ようか)さんに、『ひざまずけ!!』ってえらそうに言うセリフがあったんです。私、その後もなぜか、軍人の役が多いですね」
レビュー「ラヴィール」(10年、宝塚大劇場)でロケットボーイに抜擢(ばってき)されて、華やかな容姿が注目を集める。11年の「ノバ・ボサ・ノバ」では“出世役”といわれるドアボーイ役をつとめたうえ、新人公演ではソール役の初主演を射止めた。
「どうしよう、と焦りました。ショー作品なのでダンスの振りも歌も覚えなければならない。すっごくしんどかったけれど、スポットライトの強さとみなさまの拍手に震えて、気持ちよかったア。『ノバ−』があったから、今の私があると思えます」
新公の主演はこの1回だけ。「自分をアピールできる新公を卒業するのは怖かった」というが、新進男役としてさまざまな役に挑戦することになる。
大阪のシアター・ドラマシティ公演「月夜歌聲」(12年)では
湖月わたる演じる主人公の恋敵、温世傑役。「京劇に初めて出合った作品で、いろんな国の文化があると京劇にハマりました。すぐあとに上海に行って、本場の京劇も見たんです」
バウホール公演「アンナ・カレーニナ」(13年)では素朴な貴族の青年コンスタンチン役。東京・日生劇場公演「
風と共に去りぬ」(14年)ではスカーレットの最初の夫、フランク・ケネディを演じた。
「ボーッとして人のいい役ですが、けっこう好きですね。私、『風−』とは縁があって、3回やってるんですよ。最初は一路(真輝)さん時代でただの青年役。2度目は全国ツアー公演で兵士などいろんな役。3度目がフランクで初めて名前のある役でした。この作品は究極の男役といえるレット・バトラーがすごく素敵。ぜひやってみたい、あこがれの役のひとつです」