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星組 立樹遥 タカラジェンヌ 夢の軌跡(3)
華やかな“ベルばら”
9月8日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子
アンドレ 宝塚バウホールでの初主演は平成14年の「ホップスコッチ」。壮一帆、音月桂と3人が主役で、立樹は新聞記者のバーナードをコミカルに演じた。

「コメディーの作品は難しかったけれど、すごく勉強になりました」

ところが翌15年5月、星組に組替えになる。

「11年間も雪組にいたので、まさか自分が!?って感じ。発表直後の宝塚大劇場公演は、何かにつけていろんなことが思いだされて寂しかったんですが、東京公演では吹っ切れて、かえって楽しかったですね。宝塚はひとつなんだし、星に行けば仲間も増えるって、心を整理できました」

星組では、最初の大劇場公演が同年7月「王家に捧ぐ歌」のエジプト戦士ケペル役。16年は「1914/愛」の画家シャガール役、「花舞う長安」の楊国忠役と続き、立ち姿の美しさが目をひき存在感を増していく。

翌17年は初めての外部出演「タック」(1月、東京・博品館劇場)で幕を開けた。

「びっくりしました。ただ、よく知っている謝(珠栄)先生の作品だし、いい機会だなって出ることにしたんです。ほかの出演者はみんな筋肉隆々の男性たち。私は女性として自然に演じることを求められたんですが、これが難しい。男役のクセが意識しないでもキメのポーズとかで出るんですよ。でも、男性と共演してよかったのは、性格や感じ方を男役に生かせるなと思ったこと。最終的には宝塚が最高!と実感できました」

宝塚に戻って、5月には「長崎しぐれ坂」で奉行所同心の館岡役をりりしく演じ、大ヒット作「ベルサイユのばら」全国ツアー公演(9月)では、待望のアンドレに配役された。

「“ベルばら”に出演することは私の夢のひとつ。それが初めてかなってうれしかったァ。あの華やかな舞台は宝塚でしか体験できませんからね。アンドレはやっぱり素敵だったけれど、存在自体が大きすぎて難しい。オスカル(涼紫央)に対する想い、心の深さなどは、体やセリフでは表現しにくいので、目の演技が大切だと思いました」

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