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専科 樹里咲穂(3):タカラジェンヌ夢の軌跡
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大拍手浴びて「退団へ踏ん切り」
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「ファントム」のキャリエール役 |
平成10年10月、宙組に組替え。「エリザベート」東京公演のルドルフ皇太子役、大阪シアター・ドラマシティ公演「Crossroad」のデュシャン役を経て、12年宝塚バウホール公演「FREEDOM」のカルメン・クレオ役で待望の初主演を果たす。
「それまで新人公演でも主演は回ってこなくて。ちょっと時間はかかったけれど、やっと主演やーって感じでしたねぇ。アニタを演じたあとからですよ、男役で面白い役がいっぱいつき出したのは。本当の私の宝塚人生はそれから始まったんです」
新専科制度に伴い専科に移籍したのが、その直後の同年6月。外部出演も帝国劇場の「SHOCK」、新宿コマ劇場の「Cinderella」と経験し、花組の「エリザベート」ではフランツ皇帝役を好演した。
「私ね、宙組での自分のポジションがわかってなくて。専科ヘかわるときに初めて、3番手やったんか、結構ランクが上だったんだぁーって気付いたんですよ。フランツは私にとって挑戦的な役でしたね。皇帝という役自体がそうだし、歌も自分のキーに合わない。苦しかったけれど、乗り越えなくてはいけない課題とがんばりました。でも、アニタにしてもフランツにしても、一般の人でもすぐ分かる役。やってよかったし、ツイてるなって思いますね」
そして、退団を決意した「ファントム」(16年、宙組)のキャリエール役と出合う。ファントムの父親で、最後まで正体を明かさない重要な役どころだった。
「これもキツかった。責任が重い役で毎日、2幕になるとお腹が痛くなるほどだったけれど、やりがいがありましたね。じつはアニタのときにびっくりするほどの拍手をいただいて。男役でもそういうのがあればいいなと思っていたんです。それが初日からショーがストップするぐらいのすごい拍手をいただいて。もう、これでいいなって気持ちになったんです。退団に関してはずっと前から考えていたんですが、踏ん切りがつきました」(つづく)
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