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星組 湖月わたる(3):タカラジェンヌ 夢の軌跡
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トップ披露公演で芸術祭優秀賞
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「王家に捧ぐ歌」のラダメス役 |
宙組時代の印象に残る役は、やはり「エリザベート」のルキーニだろう。
「私は3代目で、歴代と比べられる役は初めてだった。自分なりのものを工夫しなきゃって思いましたね。宙組では3番手という立場になって、急に上級生になったんだって意識がわいた。在籍は短かったけれど、何をするにもみんな一丸でがむしゃらだったかな」
平成12年6月には新制度により専科へ移籍。大阪・シアター・ドラマシティ雪組公演「月夜の歌聲(ウタゴエ)」にウェンフー役で主演したほか、星組東京公演「ベルサイユのばら2001」のアンドレ役、東京・日生劇場公演「風と共に去りぬ」のアシュレ役など、組を超えて活躍。初めての外部出演も「フォーチュン・クッキー」で経験した。
「専科で初主演した『月夜−』では、京劇を中国に行って見てきたんですが、難しかった。初めてみんなで一つのものを作る不安と喜びを感じましたね。外部出演はめちゃくちゃ女を求められていたわけじゃなかったし、普段の自分そのままで、男性との共演も何の違和感もなかった。今、宝塚へ戻ってきてみると、あのときしか経験できなかったので、出られてよかったなと思います」
専科時代には日本舞踊の名取(花柳湖月)にもなっている。
「グフッ。私、日舞は得意じゃなくて。地道に習ってはいたけれど、腰が高くてさまになってないことがイヤだったんですよ。たまたま専科になって東京公演が続く年があったので、自分に自信をつけるためにも、基本からきっちりやろうと思ったんです」
環境が変わることで、さまざまな経験を積んで大きく成長。15年2月に星組へ戻り、春の全国ツアー公演からトップに就任する。宝塚大劇場でのお披露目公演「王家に捧ぐ歌」(同年7月)はオペラ「アイーダ」をベースにした1本立て大作で、エジプトの武将ラダメスを堂々たる存在感で演じ、芸術祭演劇部門優秀賞を受賞した。
「ちょっと前にニューヨークでディズニー版の『アイーダ』を見ていて、ラダメスをやりたかったんです。ついに来たか、とうれしかったけれど、セリフをすべて歌で表現する作品だったので、ウワッとプレッシャーが大きかった。でも結果的に私の大きさが生きた役でよかったです」(つづく)
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