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タカラジェンヌ 夢の軌跡:雪組 朝海ひかる(3)
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トップ就任「突き進むしかない」
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骨太な魅力で新境地を開いたスサノオ役 |
ショーでは女役になることも多いように、“女姿”の美しさ、かわいさはグンを抜いている。なかでも極め付きは東京・日生劇場公演「風と共に去りぬ」(平成14年4月)のスカーレット役。轟悠(専科)が演じるバトラーの相手役として、見事にヒロインの大役をこなした。
「じつは“女を作る”役は初めて。歩き方から苦労しましたね。ビビアン・リーの映画を百回ぐらい見て、自分を洗脳させたんです。宝塚歌劇の初めての日生公演でしたし、みなさんの期待はヒシヒシと感じる。轟さんの足をひっぱってはいけないと、プレッシャーはすごかったです」と振り返った。
そして同年10−11月の全国ツアー公演から、絵麻緒ゆうのあとを受けて雪組トップに就任する。相手役の娘役トップは舞風りら。宝塚大劇場のお披露目公演は15年1−2月の「春麗の淡き光に」「Joyful!!」だった。
「私が(トップに)なってもいいんでしょうか? と何度も聞き返したんですよ。お稽古(けいこ)が始まってからは、前に突き進むしかないと覚悟ができました。『春麗−』は元旦初日の日本物。いいプレゼントをもらったとうれしかったですね。化粧や所作なども含めて、いろんな勉強をさせていただきました」
そのあとは、パリを舞台にした恋物語「Romance de Paris」、ヤマタノオロチ退治で知られる『古事記』の英雄伝「スサノオ−創国の魁(さきがけ)」、創立90周年の棹尾を飾ったおとぎばなし風の「青い鳥を捜して」と主演作品が続く。
「どの役も苦労して作っているので思い入れがありますね。『ロマンス−』のヴァンサン役は別れるのがつらかった。スサノオは荒ぶる神なので、私に合うのだろうかと不安でしたが、神様の役なんてそうできるものではない。日本の神話に興味を持って、改めて日本の歴史がわかって楽しかった。『青い鳥−』では久しぶりに轟さんに出ていただいたので、安心して胸にぶつかっていけました」(つづく)
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