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タカラジェンヌ 夢の軌跡:雪組 朝海ひかる(2)
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単独初主演で「作品への責任感」
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「アンナ・カレーニナ」のヴィロンスキー将校役 |
雪組に組替え(平成10年12月)になってから、ショーだけでなく芝居での活躍も際立ち、大きく成長する。
まず、11年1−2月の東京・日本青年館公演「心中・恋の大和路」での八右衛門で、持ち味とは異なる難しい役に挑んだ。
「宝塚バウホール公演で汐美(真帆=退団)が演じているのを見て感激していたら、自分がやるハメになって。着物を着て関西弁のセリフをいうのも初めてでしたし、歌を聴かせるシーンもある。必死でセリフや所作を覚えたんですが、雪組のみなさんの芝居のうまさにびっくりしていました」
同期の安蘭けい(現・星組)、成瀬こうき(退団)と3人が同じ組にそろったことで、名作ショーの再演「ノバ・ボサ・ノバ」での男女3役の役替わりや、3人で初のリサイタル「The Wonder Three」(バウ)を行って注目を集めた。
「役替わりの思い出は、いつも3人でけいこばかりしていたことですね。あわただしかったけれど、楽しかったです」
バウで成瀬とダブル初主演の「SAY IT AGAIN」をつとめたあと、宝塚大劇場の「凱旋(がいせん)門」で1日だけの役替わり主演(12年7月)。
「ちょうど10年目で、本公演には及ばないものの、新人公演のような若さだけでもいけない。1日だけの公演でしたが、すごくいろんなことを考えさせられました」
大阪のシアター・ドラマシティ公演「月夜歌聲(ツキヨノウタゴエ)」では湖月わたる(当時専科)の相手役として、京劇役者を志す男装の麗人アンシア役を演じ、その凛々しい美しさが大評判に。そしてバウの「アンナ・カレーニナ」(13年8月)で、ついに単独初主演を果たす。禁断の恋に身を焦がすヴィロンスキー将校役だった。
「初めて1から作っていくことで、作品に対しての責任感が生まれてきました。世界的な文芸大作をいかに短い時間でわかりやすく、宝塚らしく作っていくか。難しかったけれど、軍服姿も含めて、恋におぼれ、恋だけに突っ走る青年貴族は、とても好きな役でした」(つづく)
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