月組 瀬奈じゅん(4) タカラジェンヌ 夢の軌跡
形容詞の増え続ける男役でいたい
5月26日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子
「
エリザベート」のタイトルロールを見事に演じきったことが自信につながり、怖いものがなくなったという。
「私、小児喘息だったので歌を歌うことにトラウマがあり、苦手意識が強かった。それがなくなって歌うことが好きになりましたね」
月組トップスターとしてのデビュー公演は、米ミュージカル「アーネスト・イン・ラブ」(2005年7月)。宝塚歌劇が大阪・梅田芸術劇場メインホールに本格的に進出した第1弾の作品だった。
「新しいものづくしで、いろんな出合いに感謝ですね。コメディーだったこともあって、ホントに楽しかった。もう一度やりたいです」
そして、宝塚大劇場でのお披露目公演が9月の
「JAZZYな妖精たち」「REVUE OF DREAMS」。全く緊張しないで舞台を楽しめたそうだ。
「一番最初がセリで上がるシーン。初日のその数分前、霧矢(大夢)と大空(祐飛)が突然、奈落に来て写メールでカチャと私を撮ったんです。それがすごくいい笑顔に撮れていた。がんばってねじゃなく、いつも通りのふざけた感じでいてくれたことで、すごくリラックスできた。忘れられない光景ですね」
現在は大劇場でトップ公演第2弾の「暁のローマ」「レ・ビジュー・ブリアン」を上演中(6月19日まで)。「暁−」はポップ・ロックで綴るミュージカル。ショーの最後に大階段を大きな羽根を背負って降りてくる気分は、「プレッシャーや責任感があるからこそ、その羽根の重みが気持ちいい」という。
男役の魅力については、「やはり女性がやる男性というところが一番。私は『エリザベート』で女役を演じたことで、男役に対しての見方がすごく広がった。それまで尖った男役に凝り固まっていたのが、やわらかい、フェミニンなものが加わったように思う。いつまでも可能性のある、形容詞の増え続けていく男役でありたい。それが私の宝塚生活の目標です」と答えた。
※次回は霧矢大夢の登場です。