月組 瀬奈じゅん(1) タカラジェンヌ 夢の軌跡
新時代のトップはダイヤの輝き
4月28日(金) 大阪夕刊 平松澄子
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「レ・ビジュー・ブリアン」をイメージしたポスター |
宝塚歌劇が創立90周年(2004年)にひと区切りをつけ、新たな一歩を踏み出した05年に就任したトップスター。宝塚大劇場でのトップ2公演目になる「暁のローマ」「レ・ビジュー・ブリアン」が、5月12日から始まる(6月19日)。
今回は専科スターで
歌劇団理事でもある轟悠が特別出演するのも話題。「轟さんとは
『風と共に去りぬ』(02年、東京・日生劇場)で初めてご一緒させていただいて、
花組時代の『野風の笛』(03年)でもご一緒で、いろいろ教えていただきました。今回もまた、胸を借りてがんばります」と、やや緊張気味に説明した。
「暁のローマ」(木村信司脚本・演出)は、シェークスピア原作の「ジュリアス・シーザー」をもとにしたロック・ミュージカル。カエサル(シーザー=轟)、ブルータス(瀬奈)、アントニウス(霧矢大夢)、ブルータスの親友カシウス(大空祐飛)らの男たちに、ブルータスの妻ポルキア(彩乃かなみ)ら女たちがからみ、「ブルータス、お前もか!」のセリフで知られる、カエサル暗殺の政治劇が展開する。
「お話は古典的なんですけれど、音楽はポップロックで、衣装や髪、アクセサリーなどビジュアルはすべて現代的な感覚。そのミスマッチがすごくおもしろいんじゃないかと思います。ブルータスはとても誠実な役なんですよ。歌で綴る作品は、立ち稽古がなく、すぐに歌稽古から始まる。早く形は作れるんですが、セリフの少ない分、気持ちがついていくのに時間がかかりますね」という。
「レ・ビジュー・ブリアン」(酒井澄夫作・演出)は宝石をテーマに、感覚的に構成するショー。「私は誕生石がダイヤなのでダイヤが好きです。ただ、ダイヤの紳士やブルーサファイアの男などの役を表現するのは、イメージするものが宝石しかないので難しいですね。一人一人の個性が輝いて、宝石箱を開けたときにいろんな色の宝石がキラキラしていてきれい。そういう感じのショーにしたい」そうだ。