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宙組 大和悠河(3):タカラジェンヌ 夢の軌跡
成長自覚、際立つ伊達男の美しさ
平成18年3月17日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子
「THE LAST PARTY」のスコット役
「THE LAST PARTY」のスコット役
月組から宙組に組替えになり、初めて宙組に合流したのが、福岡・博多座公演の「鳳凰伝」(2003年8月)。同年の宝塚大劇場公演「白昼の稲妻」に出演後、04年は創立90周年企画で、また星組の「1914/愛」や「花舞う長安」の公演に特別出演する。

「宙組はダイナミックなイメージで、新鮮でいい刺激を受けました。星組はすごくまとまっていて、組子のようによくしていただいて。ある意味で気楽に、自分の役だけに取り組めた時期でしたね」

再び、宙組に戻って主演したのが、宝塚バウホール公演「THE LAST PARTY」(04年10月)。波乱の人生を送ったアメリカの実在の人気作家、スコット・フィッツジェラルドの生きざまを描いた意欲作だった。「影のある男の生涯をやってみたいという希望が、以前からあったんです。後半の父親役というのも初めてでしたが、今回はヒゲはつけませんでした。芝居のことだけを考えて集中できた作品です」

05年は宙組の2番手スターとして、「ホテル ステラマリス」「レヴュー伝説」、「炎にくちづけを」「ネオ・ヴォヤージュ」の公演をしっかり支えた。

今年は1月にバウ公演「不滅の恋人たちへ」に主演。大ベテランの演出家、太田哲則の最後の作品で、伊達男アルフレッドを演じ、際立つ美しさが光った。「太田先生とは音楽学校時代に習って以来。演劇の授業を受けている感じでしたね。大人の恋の話で、宝塚の男役の美学を感じることができて、もっともっと教えてもらいたかったなと思います。最後の作品に出られてホントによかった」

そして2月には東京の日本青年館で、「THE LAST PARTY」の再演が行われた。「公演時期があいていたので、前のほうがよかったと思われたらどうしようと、プレッシャーもすごくありました。でも、初演のときより冷静に役を分析できて、より視野を広げて役に取り組めたと思います」。自分の成長を自覚できた作品になったという。



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