花組 彩吹真央:タカラジェンヌ 夢の軌跡(4)
肝の据わった太い男役が目標
7月21日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子
宝塚バウホールの単独主演は平成16年の「NAKED CITY」。ニューヨークが舞台で、ゴシップ記事を追うアウトロー的なカメラマン、ビリー役だった。
「私はニューヨークが大好きで、カメラが趣味。小柳先生(奈穂子=作・演出)はそんなことを全く知らずに作品を書かれたんですが、出演が決まったとき、私は『運命だわ!』と鳥肌が立ちました。役作りも自分の感性でやりたいようにやらせていただいたので、楽しかった思い出しかないんですよね」
昨年は「
マラケシュ・紅の墓標」のクリフォード役、「
落陽のパレルモ」のファブリッツィオ役と、どちらも難しい役どころを好演して、着実にステップアップしている。
「どの作品も、どの役も忘れられません。自分の中で大きなポイントとなったのは、雪から花への組替えかな。あのまま雪にいたら今の自分はなかった。上級生がダーッといられた花で、切磋琢磨(せっさたくま)してやってきたことが、今につながったと思いますね」
現在、宝塚大劇場公演「
ファントム」にキャリエール役で出演中(8月7日まで)だが、この東京公演(8月25日−10月1日)と全国ツアー公演「うたかたの恋」「エンター・ザ・レビュー」(11月4日−12月1日)を終えたあと、12月2日付で再び雪組に組替えになることが、発表された。
「8年ぶりの組替えになります。その間、自分の中で積み重ねたものが多いことが、すごい財産ですね。だから雪に戻るという感覚はなく、花で成長したと思っていただけるようにしたい。これまで、宝塚をやめようと思ったことはないし、私の宝塚生活はこれから。キラキラ光っている肝の据わった、太い男役が目標です。役柄としては、最近あまりない、純粋な恋愛物をやってみたいですね」と、夢を語った。
雪組での新たなスタートは来年からになる。