専科 初風緑(3):タカラジェンヌ夢の軌跡 |
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「最高の時」感じて退団決意 |
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10月14日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子 |
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「エリザベート」のフランツ皇帝役 |
宝塚バウホールの単独初主演は平成11年の「から騒ぎ」。シェークスピア劇を大胆にアレンジした作品で、ロックンローラーのロッキーを演じた。12年6月に新専科制度により、月組から専科へ移籍。重要なポジションの役やバラエティーにとんだ活動が目立ってきた。
「組によって全然、色が違います。舞台はトップさん、楽屋では組長さんのカラーがすごく出る。最初はなじもうとしましたが、しだいに仕事として立ち向かう気持ちが強くなりました。とくに専科になると、組子では絶対にありえない、思ってもいない人生を体験できました。今から思うと、“初風緑”という人間を作ろうとしてくれていたんだなと感じますね」
リサイタル「愛・舞・魅」(14年)、コンサート「Carmine−カーマイン−」(15年)ではエンターテイナーぶりを発揮し、外部出演した「TWINS 2人のライザ」(同)ではライザ・ミネリ役に挑戦。16年には「スサノオ」(雪組)でアマテラスオオミカミという大役を好演し、全国ツアー公演「風と共に去りぬ」(宙組)ではアシュレ役もつとめた。
「宝塚の男役じゃなきゃいやだ!と思っていた私が、どんな役でも演じることが楽しく思えてきたんです。人間じゃなく男でも女でもないアマテラスは、だれもやったことがない個性的な役でしたし、アシュレはずっとやりたくて夢が叶いました」
そして今年。月組公演「エリザベート」に特別出演して演じたフランツ皇帝役で、退団を決意する。
「ここ何年間かはずっと迷っていたんです。じつはアマテラスのときにもある達成感があって退団を考えましたが、やはり男役でという気持ちもあって。それがフランツのときは今が最高なのかなと、千秋楽近くに“鐘が鳴った”んです。何もできなかった自分が、よくここまでやれるようになったなという充実感。ここでとどまって長く居るか、今を大事にして決断するか。ギリギリのときだと思って、すごく悩んで答えを出しました」
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