専科 初風緑(1):タカラジェンヌ夢の軌跡 |
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ついに退団へのラストステージ |
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9月30日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子 |
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「炎にくちづけを」のルーナ伯爵役 |
いよいよ退団へのラストステージが始まる。特別出演した宙組の「炎にくちづけを」「ネオ・ヴォヤージュ」の宝塚大劇場公演が19日に千秋楽。続いて宝塚ホテルのディナーショー(24、25日)があり、最後となる宙組の東京宝塚劇場公演が10月7日に開幕。その千秋楽の11月13日で、18年間の宝塚生活に別れを告げる。
「ここで卒業するかどうか、すっごく悩んで出した結論でした。でも決めてからはスケジュールがピチピチで走りっぱなしです」と、忙しい日々をこなしている。
「炎に−」はオペラ「イル・トロヴァトーレ」を元に、15世紀のスペインを舞台に描く悲劇。初風は恋の三角関係に悩み、恋敵のジプシーへ嫉妬心や復讐(ふくしゅう)心を燃やす、貴族のルーナ伯爵役だ。「やりがいがあるけれど、すっごく難しいし、切ない役。大劇場では日々、悩みながら演じていました。私は役にのめりこんで考え込むタイプなので、毎回いかに役を背負わずに演じるかが課題ですね」
ショーではフィナーレに、大階段で歌うファイナルシンガーをつとめている。「娘役でないとできないエトワールは、ずっと夢であこがれでした。男役には回ってこないと思っていたし、私は音楽学校時代、ホントに歌の成績がひどかったんです。だから最後に劇団から、すばらしいプレゼントをいただいてうれしいですね」と喜んだ。
歌、ダンス、芝居と三拍子そろった芸達者。なかでものびやかな歌声は定評があり、歌が苦手だったとは信じがたいが、「すっごく練習して、苦労して歌えるようにがんばったんです」という。
大劇場の千秋楽のサヨナラショーは、思い入れのある歌を中心にしたプログラムでまとめた。
「大階段のデュエットダンスの前で初めて歌ったのが『シャレード』。その曲からスタートして、ラストは宙組さんとご一緒した『Carmine』の中の曲で終わりたいと思ったんです」。そして黒紋付と緑の袴の正装で大階段を降り、ファンの大声援にキラリと涙をにじませた。
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大阪本社が発行する毎週金曜日夕刊の「タカラジェンヌ 夢の奇跡」。毎月ひとりのタカラジェンヌを取り上げ、平松澄子記者がじっくりと話を聞きます。
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