花組 春野寿美礼:タカラジェンヌ夢の軌跡(2)
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歌唱力と柔軟さで一作ごとに成長
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11月4日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子 |
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「冬物語」の艶やかな花魁姿 |
東京都狛江市出身。平成3年の入団で、初舞台は「ベルサイユのばら」(月組)だった。翌年、花組に配属されて以来、花組一筋。早くから将来を嘱望されたホープで、8年「ハウ・トゥー・サクシード」(第2部)のフィンチ役で新人公演に初主演。続いて「失われた楽園」、「ザッツ・レビュー」と計3回、新公の主演をつとめた。
最初に感じたターニングポイントは、それらの新公主演より少し前だったという。「『ブラック・ジャック 危険な賭け』(6年)の通行人の役のとき。1期上の先輩から『あなたはもっとできる人よ。ただの通行人じゃなく、自分でドラマを作ってやってごらん』と言われたんです。どんな人が、何の目的で、どこへ向かって歩いているのかなどと考えてやるようになり、初めて役をつくるおもしろさを知ったんです」
その次は「ハウ・トゥー…」東京公演の新公のとき。「演出の加藤(誠)先生に、『背中でもっと、みんなのパワーを受け止めてやってごらん』と言われて。自分ひとりで一生懸命がんばっているところがあったんですね。舞台はみんなで一緒に作っていくんだと、またひとつ気付きました」
優れた歌唱力と柔軟性のある役作りで、1作ごとに成長を続け、11年の宝塚バウホール公演「冬物語」で初主演を果たす。シェークスピア劇を歌舞伎の世界に置き換えた作品で、春野は役者の富五郎と花魁の十六夜という、男女の2役に挑戦。とくに花魁姿の美しさは大評判になった。
「歌舞伎に、2役に、本格的に女役に取り組むのも初めて。知らないこと、覚えることばかりで、すっごく大変でした。女役では監修の酒井(澄夫)先生に、けい古の最終日にダメ出しされたんです。どうやったらきれいに見えるかをアドバイスいただいても、頭ではわかってもなかなか体で表現できない。ただ言われたことを必死にがんばったって印象が強いんです。ひたむきにとり組んだことが、好結果につながったのかもしれませんね」(つづく)
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