そうですよ。♪あのころ、みんな、若かった。もう50歳過ぎちゃった。
やっぱり、20代のころは、勢いがありますよね。それにあんまり深く考えなくても、「これだ」と決定を下せる。大人になるとこだわる部分が変わるというか、間口が広くなるんだけど、許容することが多くなる。すると、そういう部分が音に出ます。だから、ラブソング1つとっても−−特に歌詞の部分がそうですが−−若いころは、愛とか恋とかにのめり込むタイプで、それをずうっとみつめて歌詞にすることが多かったけど、30年たつと、「好き」が人間愛に近くなってきちゃう。どうしても、そういうふうになっちゃいます。もう、恋の“芯”の1点だけをみつめて歌詞をかくことはなかなかできない。
でも、それは、いいと思うんですよ。だからこそ続ける意味がある。この歳になって昔の「新しいシャツ」みたいな歌詞を書いてくださいといわれても、かけないけれど、今の曲は20代のときにはかけなかった。この年齢になって見えてくるものが確実にあるので、それを音楽にしていくことが、自分のやっていくことだと思っている。昔にこだわるのじゃなくて。
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