 レコード会社側からの提案がきっかけです。私にはベスト盤（代表曲集）を出したいという積極的な気持ちはありませんでした。結果的に作りたいと思えたベスト盤は、たぶん、これが初めて。アルバムを２、３枚しか出していないのにベスト盤を出す人って、最近はいっぱいいますが、ああいうのは詐欺のようなもの。ともかく、今回は１９７０年代に録音されたものまで対象になるということになり、きちんとマスタリング（音質の調整）をし直さないとならない。そのためには音源を整理し直したほうがいい。整理するよい機会だ。今回は「じゃあ、やろうかな」。
それと、ひとつのアルバムにすることで、私の“ポップスの形”をより明確にみていただけると考えた。それに（これまでの作品として）２４枚もアルバムがあると、さすがに、どれを買ったらよいか分からない人もいる。大貫妙子の名前は知っているけれども、どれを買っていいか分からない。そんな、特に若い人のためのアイテム。あるいは、私と同年代でもう一度聴きたいけどかつて所有していたＬＰはなくなった。そういう人たちにもいいのじゃないかと思って。
なので今回は、“たぶん、みなさんが聴いたことがあるであろう曲”を集めてある。私が買う立場だったら、こういう中身だったらありがたいと思う。そんな感じで選曲しています。みなさんからの人気が高い曲。ただ、（これまでに出した２４枚の）アルバムから１曲ずつ選んだとしても２４曲になっちゃう。だから、悩むこともなく、簡単に選びました。（聴き手それぞれの）意見、要望はあるでしょうが、それをいい出すと、もう、きりがないんで。ですから、テレビコマーシャルで使われた歌とか、テレビや映画の主題歌になったものを選びました。
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「Library」発売の経緯を教えてください。ご自身の発案ですか？ 選曲の基準は？
