小学校5年生のとき、ピアノの先生のところで、歌の勉強を始めました。自分の歌を聴くのも勉強になるから、といつも録音していたんですが、通い始めて2カ月ぐらいのときに、そういうテープの1本を先生が、いまのプロデューサーのところに送ったんです。先生から「この前録音したテープ、送ったよ」といわれ、「ああ、そうなんですか」。「もしかしたら、デビューになるかもしらん」といわれても、「ああ、そうなんですか」でした。
歌ったのはナット・キング・コールさんの「L.O.V.E」。先生から「よい歌だから聴いてみ」といわれていたもので。もちろん、それまで知らなくて「すごい歌だなあ、いいなあ」と思いながら歌った。明日香はね、日本の流行歌ももちろん、好きですが、そういうの(スタンダードナンバー)が好きなんですよ。なんか、かっこいいなあとか思って。
しばらくしたら、連絡がきて「あと1年ぐらいしたらデビューするかもしらん」と。そのときもやっぱり、「ほぉぉぉっ! そうなんですか!」。まったく事態が分かっていなくて、ただデビューできるんだと、ウキウキでしたね。最初、父は「ぜったいあかん」と反対していたんですが、「せっかく歌手になれる機会だから」と姉たちがすごく説得してくれたんですよ。
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