大劇場の本公演を1度限りで退団するトップは、2002(平成14)年の
匠ひびき(当時花組)、
絵麻緒ゆう(当時雪組)以来。
退団会見に同席した同歌劇団の小林公一理事長は「1公演ではございますが、これまで培った実力と情熱を全力で発揮して、多くのお客さまの心に残るように、花道を飾る舞台にしたい」とあいさつした。
貴城も「ファンのみなさまは1公演だけという思いがあるかもしれませんが、私は下級生のころからたくさん活躍の場をいただいて、いつも1作1作を精一杯つとめてきたので満足感があります」という。
昨年末に宙組トップに内定した段階で、「これで宝塚では最終ゴールに手が届いた。悔いはない。次のスタートを切るのは年齢的にも早いほうがいいと決断しました」と退団を申し出ていたことも明かした。
宙組生は現在、それぞれの活動をしており、貴城は退団することを直接には伝えていない。
「“バラケて”いるのでまだ、宙組生の半分ぐらいしか出会っていないんです。ただ、一緒にコンサートに出演するメンバーには話しました。あとは連絡網で回ったみたいですよ。驚きと熱い声援をいっぱい受けました」という。
「トップを実感したのは、『コパカバーナ』初日にセンターから降りてきたとき。みんなやさしく支えてくれて感謝しています。大劇場では今しかできないメンバーで、これまで経験した引き出しを全部出して、男役の集大成をごらんいただきたい」と最初で最後の公演にかける意気込みを話した。
退団後については「今は休みなくお稽古しているので、具体的には決めていません。退団したあとにいろんな方面から考えたい。結婚は…お相手がいないのでないでしょうが、芸能界にいくことも含めて、自分が挑戦したいと思うことをやっていきたいですね」と答えた。
今後のスケジュールは、貴城けいコンサートが9月13・14日=大阪のシアター・ドラマシティ、9月16から18日東京のサンシャイン劇場。そのあとサヨナラ公演となる。
なお、宙組の次期トップには組内からの順当な昇格を有力とする見方もある。
また、貴城の会見のあとに、相手役の娘役トップ、
紫城るいが同時退団することも
発表された。名古屋出身で9年の入団。男役から娘役に転向後、月組から宙組へ組替
えになって、今年8月に娘役トップに昇格したばかり。後日に会見して退団理由を語
る予定だ。
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