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湖月わたる サヨナラ会見
「自分を待っていてくれる舞台がないのは寂しい」
   by ENAK編集部
13sumirewataruint01jpg.jpg 12日に東京宝塚劇場(東京・日比谷)で行われた、星組公演「愛するには短すぎる」「ネオ・ダンディズム!」千秋楽後の、同組トップスター、湖月わたるの記者会見一問一答は以下のとおり。

湖月わたる ただいま18年間の宝塚生活に別れを告げてまいりました。今はすがすがしい気持ちで、充実感でいっぱいです。長い間お世話になり、ありがとうございました。

−−きょう1日をどのような気持ちで過ごしましたか?
湖月 (宝塚大劇場での)初日、千秋楽が台風や嵐に見舞われまして、きょうは朝起きたらすごくよい天気だなと思って外に出たら突風で、(ファンの)みなさん大丈夫かなと思いながら、オープンカーに乗って風に吹かれながら楽屋入りをさせていただきました。みなさんの、(自分の)最後の1日を楽しく送り出してあげたいという思いが伝わってきました。そういう応援に乗って今の私がいるわけです。私ひとりだったら、こんなにすがすがしい気持ちではいられなかったかもしれません。みなさんの気持ちが私をすがすがしくさせてくれていると思っています。

−−涙する瞬間はなかったのですか?
湖月 まず、朝(の楽屋入りの際)、ファンのみなさまに見送られて劇場に入ってきたとき、組のみんなが迎えてくれて、そこで“ひと泣き”。(楽屋で)退団者全員でごあいさつさせていただいたとき“ふた泣き”。開演前に泣かせていただきましたので、舞台が始まってからは意外と大丈夫でしたが、サヨナラショーで(客席で)ペンライトがたくさん光っている客席を見て、幕が下りる前はさすがに涙が浮かんでいたと思います。また、緑のきかま姿でごあいさつをさせていただき、「フォーエバー!タカラヅカ」を歌い終わったときは涙があふれそうでした。

−−星組の後輩たちへ贈る言葉は?
湖月 言葉にするのは難しいですね。とにかく、自分の選んだことを信じて、悔いのないときを過ごしてもらいたいです。

−−ご自身がそうだった?
湖月 そう過ごしてきたと思います。

会見を終えて写真撮影に応じるわたるさん −−タカラヅカはどのような場所でしたか?
湖月 そうですねえ、あこがれて、ここまでというほど一途にあこがれて、その夢がかなって入りました。ひとつひとついろんな夢をかなえてくれて、最後は星組で主演男役という立場にさせていただいて、こんなに幸せな公演で退団することができて、まさに夢をかなえてくれた場所でした。

−−あすは何をして過ごしますか?
湖月 最近は目覚まし時計より早く起きていました。きょうも午前7時には目が覚めて。とりあえず思う存分眠りたいです。 −−退団後の予定は
大学進学につきましては正直、まだ具体的に決まったことはありません。これからゆっくり勉強をしたいと思っています。一方、自分らしい作品、これなら出てみたいと思える舞台と巡り会えたら意欲的にチャレンジしてみたいと思っています。

−−勉強のほうは?
湖月 しなくてはいけませんが、あす1日はなにも考えずに“卒業した自分”を味わっていたいです。

−−具体的に何を専攻するのですか?
湖月 まだみなさんにお話するような目標はないんです。

−−進学のための勉強と並行して舞台活動を続けるのですか?
湖月 東京公演初日までは退団の舞台に追われていて、自分が宝塚以外の舞台に立つことについての実感がありませんでした。ところが、東京の初日の幕が開いたとき、これで舞台に立つことはなくなるのだ。私を待っていてくれる舞台がないのだと思ったら、それを寂しく感じ、もっと舞台に立ちたい自分が、そこにいました。今まで培ってきたものを急に止めることはできない。今ストップさせるということはどういうことなのだろうと考えながら、東京の舞台を踏んでいました。そんな中で、勉強もしたいけれど、勉強をしながら舞台に立てるのではないか。そんな欲張りなことを考えながら東京公演を過ごしてきました。その間、いろいろな(仕事の)お話をいただく中で、考えさせていただき、(勉強と舞台活動を両立して)がんばっていけたらと思うようになりました。

会見を終えたわたるさん

−−東京公演が始まってから考え方が変わったと?
湖月 退団を決意したころは、まだ残されている公演があったし、宝塚の男役としての自分という存在が大きくて、宝塚以外の舞台の実感はなかったのです。ですから、大阪での退団会見の際は「ゆっくり考えたい」と述べさせていただきました。ところが東京公演が始まってから、(退団後の舞台活動を)やる気が出てきました。



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