宙組 花總まり(2):タカラジェンヌ 夢の軌跡
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2度のエリザベート役で高評価
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平成18年4月7日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子 |
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代表作となった「エリザベート」のタイトルロール |
雪組トップスター、一路真輝の相手役として、正式に娘役トップに就任したのは「雪之丞変化」「サジタリウス」(1994年11月)。「研4(入団4年目)の終わりでした。何から何まで初めてのことばかりでしたが、日本物のお芝居は『雪之丞−』が初めて。まず、お化粧から大変で、上級生の方に教わって自分でやったんですけど、ポスターの顔はヘンでした」
翌95年は「JFK」でケネディ大統領夫人のジャクリーヌ役、「あかねさす紫の花」では額田女王役と、実在の人物をモデルにした大役が続いた。そして96年に、ウィーン・ミュージカル「エリザベート」の宝塚初演で、代表作になったエリザベート皇后役に出合う。
「最初にこの役をやると聞いたときより、ウィーンの劇場で実際に見たときの衝撃のほうが大きかった。全編が歌で綴る作品とわかって、大変なことになったと思いました。私は声が細くて声量もないし、それまで1人で1曲を歌うこともなかったので。一路さんの最後の作品でもあるし、制作発表もあったし、初日が開けても毎日が勉強。大変だ大変だで、脇目もふらずに必死でしたね」
黄泉(よみ)の帝王トートを主人公にした異色作だったが、宝塚歌劇に新境地を開いて大ヒット。その後、5組全部で再演するという宝塚の財産となった。花總のキリッとして透明感のある美貌はエリザベート役にぴったり。高く評価されて、98年に宙組で再演した際にも、再びタイトルロールを演じている。
しかし、花總は「ホントに素敵で、大好きな作品です。でも、2回目はすごいつらかった。できれば初演のままで終わりたかった」という。「再演で同じ役を演じるのは大劇場公演では初めて。それまでの2年間は毎回、新しいものにチャレンジしていたのに、私以外の人たちとは違うスタートになる。新鮮に取り組まなきゃと思っていても、1回目に苦労した分、体が覚えていて先に思い出すんです。難しかったですね」。演じることの深い苦労を味わったようだ。
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