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歌唱指導 楊淑美(よう・しゅくび):すみれの園を創る人たち
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“ほめる指導” いつか海外でも
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月組トップスター、彩輝直の退団公演となる宝塚大劇場の「エリザベート−愛と死の輪舞(ロンド)」(3月21日まで)で、歌唱指導をしている。次期トップの瀬奈じゅんが女役のエリザベートを演じる大人気の舞台(関連記事:「エリザベート」幕開く)。
「あさこちゃん(瀬奈の愛称)は声がよく出て、かわいいですよ。両性的な妖(あや)しさの彩輝トートと、とてもいい組み合わせですね」とやさしく微笑んだ。
大ブレークした「エリザベート」で平成8年初演の雪組公演から、演出家の小池修一郎氏に請われて歌唱指導の仕事を始めた。今回の月組で全5組の上演が叶ったが、宙組を除く4組を担当している。
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昭和38年東京生まれ。東京聖心インターナショナル・スクール卒後、宝塚音楽学校に入学して59年初舞台。「碧海蓮(あおみれん)」という芸名の花組の男役だったが、61年に退団。イギリスで本格的にオペラの勉強に取り組み、その間にロンドンでミュージカル「ミス・サイゴン」にも約2年間出演して、帰国した。
「宝塚は3歳のときから見ていて大好きですが、音大に行きたい夢もあって。次のステップに留学を決意しました。『ミス・サイゴン』は薦められてオーディションを受けて合格したんですが、そのときの経験を生かして歌唱指導してほしいと、小池先生が声をかけて下さったんです」
宝塚に“里帰り”して手がけた新たな仕事が次の道を開き、「より専門的なミュージカルの発声法を勉強したい」と10年に再渡英して、英国王立音楽院で1年間学んだ。
帰国後は、宝塚で「王家に捧ぐ歌」「天の鼓」など次々に担当。さらに「モーツァルト!」「マイ・フェア・レディ」「十二夜」など東宝ミュージカルの歌唱指導も続々と舞い込む売れっ子に。
「緊張すると声が出ない。リラックスして楽しい気持ちで歌ってもらうのが一番」と“ほめる指導”を心がけているという。
「宝塚は私にとってホームグラウンド。でも音楽に国境はないし、日本、中国、欧米の国を超えて、グローバルに仕事がしていければと思っています」
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