不世出のジャズ歌手、ビリー・ホリデイ。彼女の晩年を描いた舞台「レディ・デイ・アット・エマーソンズ・バー&グリル」でビリーを演じた無名の女優が、ビリーにあまりにも似ていることから、ジャズ歌手としてデビューした。レディ・キム。デビュー作「レフト・アローン」(ヴィレッジ・レコード/VRCL-18818/¥2,835(税込))は、かつてビリーが録音を残さなかったスタンダード曲を中心に選曲し、“ビリーが生きていたら”という、歴史のもしもに挑戦したような内容。といって、難しく考えることはない。ピアノトリオによる伴奏を従えた歌もの作品として、しっとりとした情感を堪能できる。公演とCDの宣伝のために来日したレディ・キムにインタビュー。明るくチャーミングな女性だった。
text & photo by Takeshi Ishii/石井健
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