もう、心の底からうれしいという口調でいう。そもそも、両親がブリティッシュロックを好きで、自宅にはしょっちゅうロックが流れていた。また、3歳のころから、ピアノとエレクトーンを習うなど、もともと音楽は身近な存在だった。将来は音楽の道に進みたいと思い続けていたという。
ただ、本当に好きだから、音楽のことはとても真剣に考えていた。だから逆に、たとえばオーディションを受けて歌手になるようなことは考えなかった。お仕着せの歌をうたような羽目には陥りたくなかったからだという。自分の納得いく形で音楽に関わることができるときがくるのを待った。模索した。
中学生のころから作詞を始め、高校時代にはバンド活動でボーカルを担当。さらに卒業後に別のバンドに参加し作曲も始めた。
「悩みがあるときに文章にしてみたら答えが出たんです。はっきりと分かっていなかったことが分かった。それが作詞のきっかけになりました。それも、詩ではなくもう歌詞の体裁で書いていました。A旋律部分、B旋律部分があって、サビがきて…と。書きながら頭の中で漠然と歌が鳴っていたんです」
モデル通じて表現の方法学ぶ
小学6年生で東京・原宿の美容院のカットモデルにスカウトされたのがきっかけでモデルの道を歩き始めた。
「カットモデル、読者モデルをへて専属になったのですが、モデルはおもしろい仕事だし、自分に向いているとも思います。さまざまな洋服を着ることは、自分のことが分かるようになります。また、表現するとはどういうことかを教えられます」
モデルの仕事は音楽表現に非常に役立つのだという。一方で音楽についての勉強も重ねた。そして、とうとう音楽に対する意欲を抑えきれなくなっ。
2枚のシングルとアルバム「KAELA」は、こうしてさまざまな積み重ねをへて生まれたわけで、モデル人気に便乗した余技などでは、決して、ないのだ。
TEXT & PHOTO BY TAKESHI ISHII/石井健