ENAK Interview 2004
VOL.17 諫山実生 (2) |
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──地方のご出身?
■諫山:いえ…東京生まれの東京育ち。ですから、ずっと家から出たことがなくて、もう旅先で枕が変わると眠れなくなっちゃう。それがこの仕事を始めて、地方に出て家を空ける機会が増えたので。
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昭和55年6月7日、東京生まれ。幼少時代より音に興味を持ち、譜面を読まず自由にピアノを弾きはじめる。その結果、絶対音感が身についた。この才能に興味を持った音大生が“音を耳から指へ伝える”という変わったピアノ練習を指導。中学生になった頃から作曲を始め、高校では軽音楽部に入部。その後、本格的に作詞、作曲活動を始める。東京都内の飲食店で弾き語りのアルバイトをしている際に見いだされ、デビューが決まる。平成14年8月、シングル「恋花火」でデビュー。漫画家、蛭子能収が諫山の歌声にほれこみ、自身の監督デビューDVD「諫山節考」を撮影する。蛭子の4コマ漫画を実写化したシュールな内容。随所に諫山の歌が流れている。アルバムは、「撫子の華」(15年)、「ハナコトバ〜花心詩」(同)、「春野かほり」(16年)の3作を発表。10月からはNHK「みんなのうた」で、「月のワルツ」という新曲が放送される。「月のワルツ」は作詞を湯川れいこが担当。12月1日、シングルCDで発売予定。
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カフェレストランで歌っているときに“スカウト”されたのがデビューのきっかけとか
■諫山実生:最初は、たまたま知り合いの方がそういうお店をやっていて、ピアノの弾き語りをやる人を探しているというので手を挙げたんです。最初は緊張しましたけど、楽しくって、日曜だけだったのが金曜、土曜日もやらせてって頼んで。基本的には、食事のBGMになるような歌、ユーミン(松任谷由実)とか、小田和正さんとか、そういう人たちの歌を歌うんですけど、合間に自作曲を潜り込ませて。そうしたら、常連のお客様が私の自作曲を口ずさんでくださるようになって、これは楽しいと味をしめちゃった。度胸もついた。ただ、自宅のそばでしたので、もっと都心のお店じゃないとより多くの人に聴いてもらえないと考えて、六本木のレストランに移ったんです。そこには、私のほかにも2人ほど出演者がいて、ひとりは米国のバークリー音楽院を卒業していた。それでいろいろと教えていただきました。また、六本木は客層も広く、キャロル・キングやビートルズ、カーペンターズの歌を歌いました。その時代にたくさんの歌を覚えました。
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「手紙」に話を戻しますが、DVD「諫山節考」の主題歌として世に出て、今回はアレンジを変えてのシングル発売になるんですね?
■諫山:この歌は私自身のようなものです。そのぐらい思い入れもあります。ですから、シングルとして発売したかった。それで今回、アレンジを変えてシングルにしました。離れていたって手紙だったら、会いに行ける。手紙を書くということは、人を思うということだと、この歌を通じて感じ取っていただけたらうれしいですね。
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うーん。日本郵政公社のテーマ曲に採用されそうな勢いですね。
■諫山:あ、実は…わが家は父もおじも郵政公社で働いていて、それもあって、手紙はとても身近なんです! それはともかく、聴いた方から手紙で感想をいただけたらうれしいですね!
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後記
ハスキーで、いささかのけだるさも含んだ歌声の持ち主。ちょっとおとなっぽい印象とは違って、目の前に現れたのはいたってきさくな雰囲気の女性だった。内気というが、しっかりと話す。といって、特別強烈な意思を示すような話し方ではなく、いってみればごくふつうの会話ができる。しかし、写真撮影の際、ファインダー越しに見せてくれた表情は、どことなく挑戦的。見られることへのプロ意識もしっかりとしている。
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