コンテンポラリージャズのスーパーボーカリスト。なんじゃそりゃ、である。ENAKはふつうそんなおおげさな形容は使わない。が、アル・ジャロウ(64)については、そのぐらいの冠をつけたって、いいだろう。ジャズのフィールドを足場に、幅広い歌をうたい続けて40年近くになる。実際、「ジャズ」「ポップ」「R&B」の3つの部門で米グラミー賞を獲得してもいる。いや、それよりも、元気で陽気で、インタビュー中も突然、うたい出して、それも延々とうたい続けて、もうそのエネルギーだけでスーパーボーカリストだといいたい。そんな彼が、意外や初めて作ったスタンダードナンバー中心のアルバムが「ワルツ・フォー・デビー/アル・ジャロウ・シングス・スタンダーズ」(ユニバーサルミュージック/UCCR-1042/¥2,548)だ。
text & photo by Takeshi Ishii/石井健
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