《今夏、民主党が衆参両院選と地方選に向けて実施した候補者公募の選考で、候補者像について意見を述べる「有識者会議」のメンバーに選ばれた》
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漫画家 倉田真由美さん=東京千代田区大手町・東京産経本社(撮影・瀧誠四郎) |
−−8月の初会合の感想を。
倉田 いい経験でしたよ。なんで自分がここにいるのかなという疑問を持ちつつ、よく知らない政治について話す。なかなか面白かったです。
−−どんな話し合いを?
倉田 よい政治家と駄目な政治家について。
−−駄目な政治家だと思うのは?
倉田 「何千万円、もらえてラッキー」なんて言う人にはなってほしくない。政治家になる人は自己犠牲の気持ちがないと絶対に無理だと思うんですよ。限りなくボランティア的な仕事であるべきだと思う。自分を犠牲にしてでも、皆が、どう幸せになれるかを真剣に考える。皆のお父さん、お母さんみたいな存在であってほしい。
−−出馬を考えたことも?
倉田 私には、まだ私利私欲がありすぎるから駄目ですね。スカウトもまったく来ませんよ(笑)。そういう欲が落ちてきたら世の中のために生きるのもいいかなあとか思わないでもないですけれども。少なくとも、あと10年はないですね。
−−今後は仕事の幅を広げたいですか?
倉田 どの仕事も楽しいので、今、やっている仕事ができれば十分です。今は本当に幸せですね。仕事も充実しているし、子供も元気だし。駄目な男とつきあった過去がなかったら、現在の幸せはなかったのでしょうね。
−−仕事に喜びを見いだすのは、どんなとき。
倉田 仕事をしているときです。仕事の過程そのものが面白いから。反響やお金はたまたまついてくる。もちろん無いと困りますけれど、そのために頑張っているわけではないですね。
《漫画「だめんず・うぉ〜か〜」は、今も週刊誌「SPA!」で連載中》
−−ヒットの要素は何だと思いますか。
倉田 もともと、あった現象に名前をつけたことが受けたのだと思います。昔から脈々とある現象に名前をつけてわかりやすくすることが新しく、またできたらいいなあと思っています。
−−「だめんず」のように。
倉田 そうです。例えば「30代以上、未婚、子供がいない女性」を「負け犬」と称したのがヒットしたことがありました。「負け犬」にしても新しく生まれたムーブメントではないと思う。みんなの目の端に、うっすら、映っていることで、知っていることなんだけれども、名前がないから語れなかった。これからは意識できないものを描いてみたいですね。
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