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娘役トップ、花總まりも
宙組トップスター、和央ようか 大劇場にサヨナラ
5月8日(月) text by 平松澄子,photo by 浜坂達朗
宝塚歌劇団宙組の「NEVER SAY GOODBYE」宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)公演が8日、千秋楽を迎え、6年間トップコンビとして活躍した和央ようか花總まりがそろって、“本拠地”に別れを告げた。(千秋楽のもようをまとめた写真グラフこちら)

8000人のファンに別れを告げたたかこさん

和央は在団18年。花總は同15年で、娘役トップとしての在任12年は歴代最長。今月26日から東京公演を行い、その千秋楽の7月2日で宝塚歌劇団を退団する。

この日は公演後にサヨナラショーを開催。第1場は昨年12月に和央がケガ(骨盤骨折)をしたため中止になったショー「W−WING」の主題歌からスタート。ファンはいきなり総立ちになって、すすり泣きながら星型のペンライト振りかざした。

続いて「鳳凰伝」や「カステル・ミラージュ」など、これまでの代表作からピックアップした歌やダンスを披露。なかでも「ファントム」からは主題歌など4曲を選び、仮面を付けた姿で登場して、花總と「You Are Music」をデュエット。

花總は「Home」の1曲だけを1人で歌った。

最後に大階段を降りてきた姿は、花總は黒紋付に緑の袴の正装。

たかこさん「たくさんの舞台を作ってこれたことが私の思い出。どんなときでも和央さんが私の手を引っ張ってくださり、ファンの方がやさしく、あたたかく応援してくださった。それがうれしくて感謝の気持ちでいっぱいです」とあいさつした。

和央は黒エンビ姿で降りてきた。トップスターが袴姿の正装でなかったのは、13年10月に退団した稔幸(星組)以来になる。

「あー、もうこの大劇場に立つことは2度とないんだと思うと、感慨深いものがあります」と切り出し、「大切な仲間たちがいつも支えてくれました。そのひとりの花總は、私にとって最高の相手役です。それに何よりもファンのみなさまのおかげ。愛しています。ありがとうございました」と結んだ。

カーテンコールを5回繰り返した後、会見した和央は「(公演前に)ケガがありましたけれど、かえって人のあたたかさに触れることができました。人間的にもいろいろ勉強ができて、ケガは決してマイナスではなかったと思っています。今はとても幸せです」と、ホッとした表情を見せた。

退団を発表したあと、ケガなどのアクシデントもあって、これまで退団会見を開いていない。改めて退団を決めた時期や理由を聞くと、「いつというはっきりしたことは言えないんです。(トップに)就任したときからずうっと考えていたので。ただ、桜の咲く春の公演でやめたいと思っていました。今が私のベストシーズンです」。

大階段を降りる際、黒エンビ姿を選んだ理由については、「宝塚の衣装で一番好きなんです」という。

また、退団後の予定は、「とにかく、今日の千秋楽まではと考えて必死でした。これからは東京公演に向けてがんばるだけで、その後のことは考えられない。ケガの具合は、今、私のやっている舞台が答えとさせていただきます」と答えた。

大劇場の入り口周辺は、ファン約8000人がぎっしり囲み、パレードを待ち構える。この日の退団者は6人で、下級生順に、織花なるみ、月丘七央、夢大輝、毬穂えりなが笑顔で手を振りながら通り過ぎた。

さよなら、たかこさん。まだ東京で会えるね花總もおなじように登場して、ファンの運転する国産車でさわやかに去った。歌劇団史上に残る稀有な娘役にしては、地味で控えめすぎる印象だった。

対照的に和央は、ファンがまずパレードの道に赤い絨毯を敷き、白バラで飾った丸いステージを設営したあと、SMAPでヒットした「世界にひとつだけの花」の伴奏にのって登場。ステージにあがるとマイクを持ち、「NEVER SAY GOODBYE」をアカペラで歌うという大サービス。

「タカちゃん、愛してるー」「ありがとう」というファンの悲鳴に送られて、白のオープンカーで去るというド派手な演出だった。

■千秋楽GRAPHはこちら



公演詳細は公式サイトでご確認ください

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