星組 4月に東京と大阪で
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涼紫央 中国琵琶とコラボレーションライブ
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平成18年3月15日(水) by ENAK |
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「さくら」を披露した涼紫央(左)とエンキ=東京・新橋の第一ホテル東京 |
宝塚歌劇団星組の男役、涼紫央(すずみ・しお)が4月、東京と大阪で中国琵琶奏者、閻●(=木の下にれっか)(エンキ)と“コラボレーションライブ”「ESpecically!!」を行うことになり15日、東京都内のホテルで記者会見した。会見には涼、エンキのほか演出を手がける三木章雄も出席した。
エンキは中国国立瀋陽音楽大学を卒業し、中国で活躍。現在は日本に滞在し、関西を中心に活動している。中国琵琶は、日本の琵琶とは形状などが異なる。バチではなく、べっ甲でできたツメを指にはめて弦を弾く。ギターのフレットに相当する指を当てる部分が31あり、「だから、半音階も出せて幅広い楽曲を演奏できる」(エンキ)。
実際に、この日「バラ」という曲を演奏したが、楽器のボディーをたたいてリズムをとるなど情熱的な演奏はフラメンコのギターを思わせ、いわゆる琵琶という楽器から想像される音楽とは別の世界を出現させる。「パッショネートな演奏に合わせて涼がソロダンスを踊ればかっこいい」と三木。
涼との共演は、大阪・梅田芸術劇場が企画した。関西で活動するエンキに公演を行ってほしいと考えた同劇場が、どうせなら新機軸を打ち出したいとタカラジェンヌとの共演を提案した。「『ベルサイユのばら』全国ツアー公演でオスカルを演じ、次代を担う涼なら中国の伝統的な楽器との“勝負”にふさわしい」と同劇場。
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6人のダンサーも出演。演出は三木章雄(後中)=東京・新橋の第一ホテル東京 |
三木も「涼クンがこういう舞台を経験するのは今がちょうどいい時機。もっと若くても上級生になったときでもなく、今だから、外の才能と出合い、さらに成長できる」と話す。
「宝塚の生徒がひとりで外に出ることはめったにない。さまざまな人と共演したり、宝塚を知らないお客さまの前に立ったりして、冷たい視線を浴びながら大きくなればいい。さまざまな立場の人が集まるととまどうこともあるが、逆にそういう人同士でしか出せない“色”もある」
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「エンキさんのようにひとつのことに賭けている人と出会い、パッションを感じるのは涼クンにとって大事なこと。その結果がどんなふうに舞台に出てくるか楽しみ」と演出の三木章雄=東京・新橋の第一ホテル東京 |
涼本人は「宝塚には“男役10年”という言葉がありますが、現在ちょうど10年め。今までの男役像をフル活用してがんばりたい。上級生が外部出演するのを拝見してとてもうらやましかった。ただいざお話をいただくと、宝塚を知らないお客さまにとっては私が宝塚の第一印象になるわけで、そういう責任を背負っていると実感しています」と意気込みを語った。
舞台には涼とエンキのほか4人編成のバンドと6人の女性ダンサーも出てくる。三木によると、エンキが女性であることなどから涼はあくまで男役を貫く。エンキを娘役に見立ててその対比で見せたいという。ラテン、ジャズなどさまざまなタイプの楽曲を使い、最後は「すみれの花咲くころ」でしめくくり、「宝塚を代表する曲でコラボレーションすることでエンキさんと宝塚とが握手できたらいい」としている。
また、三木は「エンキさんは中国琵琶を“武器”に日本にきてさまざまな音楽に踏み込み、自分のものにしている。宝塚も男役を武器に西欧に発したさまざまな音楽を取り込んでいる。両者はそのどん欲さがよく似ている。これはまた21世紀にアジアの人々が進むべき方向として受け入れられるのではないか。似たものをもっているふたりが出会い、ひとつの“場”ができればいい」と話した。
なお、三木によれば「ESpecically!!」というタイトルには、中国と日本、演奏家と舞台人の特別な出合いの新鮮さを訴えたくてつけた。また、Eはエンキ、Sは涼を表しているのだとも。
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「日本にきてジャンルを超えた音楽を演奏し始めて、その結果のひとつが宝塚とのコラボです」とエンキ。「宝塚ファン以外のお客さまもこられるので、責任は重大」と意気込む涼=東京・新橋の第一ホテル東京 |
「女性が男性を演じる、世界中どこにもないもの」として中国にいたころから宝塚に注目していたというエンキ。「本当の女性(エンキのこと)を相手にエスコートの仕方など勉強できるので、それも楽しみ」という涼。この日は、短い打ち合わせだけで「さくら」をふたりで披露。うたう涼の顔を見ながら琵琶を弾くエンキに「宝塚のオーケストラとはまったく違う伴奏。すぐそばで私に合わせてくれる。そこに愛を感じ、朝からとても良い気分です」と上機嫌だった。
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■大阪公演=4月13日(木)午後7時
同14日(金)午後2時、同6時
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
6,000円(税込)
■東京公演=4月17日(月)正午、午後4時
ゆとぼうと簡易保険ホール
S席6,000円
A席5,000円(税込)
問い合わせは梅田芸術劇場06(6377)3888
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大阪本社が発行する毎週金曜日夕刊の「タカラジェンヌ 夢の軌跡」。毎月ひとりのタカラジェンヌを取り上げ、平松澄子記者がじっくりと話を聞きます。
大阪本社が発行する毎月第2火曜日(変更もあり)の「宝塚ファンタジア 夢の小部屋」。写真報道局の奥地史佳記者が撮影した大判の写真が新聞紙面ならではの魅力。撮影した写真にサインを入れてプレゼントも(紙面のみ)。
東京本社が発行する毎日の朝刊TVメディア面のBS・CS欄にCSチャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」の番組表と解説 |
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