花組「ファントム」制作発表
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会見詳細:関係者発言
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平成18年3月7日(火) by ENAK |
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宝塚歌劇団は7日午後、東京都内のホテルで記者会見し、花組「ファントム」の制作を発表した。会見およびその後の懇親会における関係者の発言は以下のとおり。
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■中村一徳
(演出家) |
2年前に(宙組版が)幕を開けた際、みなさまから温かく支持され、2年ぶりに再演することとなりました。アーサー・コピット氏の奥深い脚本、モーリー・イェストン氏の美しい音楽をまたみなさまにお伝えしたいと再演に力を入れています。同時に大きなプレッシャーを感じていますし、前回よりパワーアップして届けたいと考えています。新たに花組の「ファントム」として楽しんでいただけるものと確信しています。大きな期待をもっていただくとともに温かい目で見守っていただければと思います。
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──演出の変更点は? |
■中村 |
コピット氏の脚本、イェストン氏の音楽はもちろんそのままです。実は初演の際、この作品が果たして宝塚の舞台として受け入れられるか不安で、極力“宝塚的”に作りました。脚本しか資料がなかったこともあり、“宝塚の枠”を意識しました。再演の今回はお客さまが物語のあらすじを知ってご覧になることを前提に、少し人間関係を整理したうえでご覧いただきたい。前回以上に元の舞台の世界に近づきたい。今回はもう少し、“人間味”を感じていただきたい。 |
──具体的には? |
■中村 |
たとえばクリスティーヌとファントムの“師弟愛”。伯爵とクリスティーヌの恋愛感情などを深く描きたい。オリジナル版にはダンスの場面はありませんが、初演時は意識的にショーの要素を盛り込みました。それによって起伏をつけたかったのですが、今回はより人間関係を深く感じていただけるように周囲をよく整理したいと考えています。場面転換などもより理論的に進めたい。シャンデリアが落ちる大がかりな場面は、今回もこれがないとまずいでしょう。
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──ファントムがつける仮面は宙組のときと違うのか |
■中村 |
きょうの会見でつけていたものは、あくまで会見用です。宙組のときとも違うものになります。本当は、ファントムはずっと仮面をつけていてもいいのですが、それではファンの皆様に申し訳ない。ファントムの傷は、初演時よりはっきりさせたいのですが、それがどんなものかは公演が始まってからのお楽しみということで。
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──衣装は? |
■中村 |
宙組のときと変えるつもりです。
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──楽曲の変更は? |
■中村 |
大きな変更はありません。ただ、踊りのニュアンスは変えたい。全体の上演時間は決まっていますから、新たに出すところがあれば引っ込めるところもあるでしょう。 |
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■小林公一
(歌劇団理事長) |
宝塚のファントムは本当にすごいと思っていただけるよう、がんばりたい
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──2年という短い期間での再演。これは、やはり「ベルサイユのばら」「エリザベート」に並ぶレパートリーにする意向か? |
■小林 |
「ファントム」は宝塚の財産のひとつだと考えています。花組の力でとれだけ盛り上がるか。 |
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■栗山義道
(三井住友カード社長) |
宝塚90周年の際、宙組「ファントム」として初めて上演され、その折も私どもは冠協賛させていただきました。
歌劇団には「ベルサイユのばら」という宝物があります。「エリザベート」は5組すべてが上演する名作。私は「ファントム」も“3大名作”の座を確立しつつあると期待して間違いないのではないかと考えています。花組にはぜひ、大いに盛り上げていただき、3大名作のひとつとしていただきたい。中村先生にはぜひ磨きをかけていただきたい。大いに期待しています。
私どもは昭和63年に「キス・ミー・ケイト」で初めて協賛させていただき、今回がちょうど30作目になります。私どもとして記念すべき公演なのです。私どもグループのイメージキャラクターである春野寿美礼さんの主演舞台ということも重ね合わせると、思い入れも強い。
宙組の「ファントム」を拝見しますと、苦渋の人生を送るファントムと彼をめぐる人々との愛と葛藤(かっとう)が描かれている。音楽性も高く、春野さんにうってつけの作品です。これがトップ披露となる桜乃さんは、緊張もしているかもしれませんが、また大きく羽ばたいていただきたい。花組の芸達者が盛り上げて、すばらしいファントムにしてくれると期待しています。
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会見記事 | 発言:出演者 | 発言:関係者
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ファントム 19世紀後半のパリ・オペラ座通り。クリスティーヌ・ダーエ(桜乃彩音)が歌いながら新しい曲の楽譜を売っていた。群衆の中にいたシャンドン伯爵(真飛聖)は、彼女の声に魅せられる。オペラ座のパトロンのひとりである彼は、クリスティーヌがオペラ座で歌のレッスンを受けられるよう取りはからう。
そのオペラ座では、支配人キャリエール(彩吹真央)が解任され、新支配人のショレが妻でプリマドンナのカルロッタとともに迎え入れられる。キャリエールはこの劇場には“オペラ座の怪人”がすみついていると告げるが、ショレは気に留めない。
クリスティーヌがオペラ座を訪ねる。カルロッタはその若さと美しさをねたみ、自分の衣装係にしてしまう。それでもクリスティーヌはオペラ座にいられるだけで幸せだった。
ある日クリスティーヌの美しい歌声に聴き入る影がひとつ。オペラ座の怪人ファントム(春野寿美礼)だった。クリスティーヌに母の面影を重ねて歌の指導を始めるファントム。ついにヒロイン役を射止めるクリスティーヌだが、開演日に悲劇が起こる…。
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