タカラジェンヌ 夢の軌跡 月組 霧矢大夢
(2)新人公演で3度主演、鮮烈な印象
6月9日(金) 大阪夕刊
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「ノバ・ボサ・ノバ」新人公演のソール役 |
6歳からクラシックバレエを習っていたが、宝塚歌劇を初めて見たのは中学生のとき。「映画の『コーラスライン』を見てミュージカルに興味がわき、宝塚の『戦争と平和』(星組)を見て、こんなところがあるんだと知ったんです。バレエの発表会でも男役をすることがあったので、宝塚なら自分を生かせるかもしれないと受験しました」
宝塚音楽学校を2度目のチャレンジで合格。平成6年「ブラックジャック」「火の鳥」で初舞台を踏み、翌年、花組に配属となる。8年には早くもブロードウェーミュージカル「ハウ・トゥー・サクシード」の新人公演(第1部)で主役のフィンチを演じ、はつらつとした魅力で注目を浴びた。
「楽しかったことしか覚えていないですね。まぐれ、まぐれって感じで、主役の気負いもプレッシャーもなかった。アメリカ人の先生の振付がとてもおもしろくて印象に残っています」
9年に月組に組替え。「ちょうど宙組新設が決まったころで、私たちにとっては大移動、大事件だったから、ショックも大きかった。でも、替わってみれば住めば都って感じですね」
月組でも海外ミュージカルに縁があるようで、10年に「WEST SIDE STORY」のベイビー・ジョン役を好演。新公ではベルナルドを演じた。「すでに評価が高いミュージカルなので、歌と芝居とダンスがバランスよく織り交ぜられている。その中で自分の役を表現するのは勉強になりますね。ベルナルド役は、映画でも有名な振りを自分がやっているのが、何か不思議な感覚でした」
翌11年「ノバ・ボサ・ノバ」新公のソール役で単独初主演。豊かな歌唱力に加えて、大阪弁のアドリブが強烈な印象だった。「とても好きな作品でしたが、このときはプレッシャーが大きかった。研6(入団6年目)になって、本公演でも男役として基盤ができていないといけない時期。新公では上級生なので、周りの環境も違いましたから」
新公の主演は12年の「ゼンダ城の虜」も加えて、計3回経験している。
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