産経Webへ戻る
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | 産経Web
全組の記事インデックス花組の記事一覧月組の記事一覧雪組の記事一覧星組の記事一覧宙組の記事一覧専科の記事一覧
星組 遠野あすか
娘役トップとして「ヘイズ・コード」でデビュー
12月9日(土)大阪夕刊  by 平松澄子 photo by 恵守乾
ふくいちゃん 星組の娘役トップスターとして、来週15日初日の「ヘイズ・コード」(大阪シアター・ドラマシティ)でデビューする。新トップスターの安蘭けいとは、歌、ダンス、芝居と三拍子そろった芸達者な主演コンビとして、期待が大きい。

「安蘭さんの相手役に決まって、すごくうれしかったです。密(ひそ)かに夢見ていたけれど、あり得ないと思っていましたから。舞台はもちろんすばらしいですが、誰にでもわけへだてなくて、周りを冷静に見てらして、人にやさしい。しかも、普段はおもしろいんですよ。女性として尊敬できますね」。晴れ晴れとした表情で言った。

安蘭と初めて共演したのは今年6月の「コパカバーナ」(大阪・梅田芸術劇場メインホール)。ギャングのリコと、愛人の大女優コンチータという“濃い役”だった。「ヘイズ・コード」では、1930年代後半のハリウッドを舞台に、映画製作倫理規定(ヘイズ・コード)の監視を仕事とするレイモンドと、新人女優のリビィという役で、互いに反発し合いながらも惹(ひ)かれあっていく、スクリューボール・コメディーに挑戦する。

ふくいちゃん 「ポスターはシックな大人のラブロマンス系ですが、舞台はタップが満載で軽いタッチ。リビィのキャラは映画『NANA』の小松奈々(ハチ)のイメージかな。安蘭さんが“こんな感じでどう!?”って、原作の漫画を贈ってくださったんです。ポンポンとモノをいうあっけらかんとした娘(こ)が、恋愛になるとシャイで素直になる。そんなかわいい部分が出せればいいなと思っています」

◆◇◆

宝塚歌劇の舞台を初めて見たのは、衛星放送の「ル・ポァゾン愛の媚薬」。たちまち虜(とりこ)になって音楽学校受験を決め、2回目に合格した。

キュートな容姿と歌唱力で早くから注目され、入団2年目の平成11年「Crossroad」(宙組、ドラマシティ)でヒロインのヘレナ役に抜擢(ばつてき)されたのを皮切りに、新人公演のヒロインを計5回もつとめ、宝塚バウホール公演のヒロインも「NAKED CITY」(16年、花組)のデイジー役など多数。十分な実績の中で転機になったのは、初めて外部出演した「Cinderella(シンデレラ)」(14年、東京・新宿コマ劇場)だったという。

ふくいちゃん 「次々にいい役をいただくのは光栄なことですが、宙組時代はあまり自覚がなく、花組に組替えになってからは、苦しくなって楽しめなかった。それが『シンデレラ』のとき、ご一緒させていただいたOGの方たちが、私のいいところをすごく言ってくださる。気持ちがプラス志向になって、舞台って楽しいなと思えるようになったんです」

◆◇◆

専科へ異動したときは、「花組のみんなと別れるのが信じられないほどつらかった」そうだが、星組の「コパカバーナ」の稽古(けいこ)の集合日に、「わずか1時間でこの組にいたい、ここが居場所だと思えて、くつろいじゃいました。その星組に戻れて、ホントにうれしいです」。

来年は宝塚大劇場でのお披露目公演「さくら」「シークレット・ハンター」が決まっている(3月23日初日)。「安蘭さんから“宝塚の枠を広げる2人になれたらいいね”と言われました。求められる娘役のイメージを守りながら、自分を見失わず、限界に挑戦していきたい」と抱負を語った。

産経Webは、産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
(C)2006.The Sankei Shimbun All rights reserved.

ここは宝塚記事のページです

公演の詳細は公式サイトをご覧ください

ヘイズ・コード」は大阪シアター・ドラマシティ公演=15〜27日▽東京・日本青年館公演=来年1月4〜11日。
宝塚大劇場でのお披露目公演は来年3月23日〜4月30日(東京は5月18日〜7月1日)。

とおの・あすか 千葉・我孫子市出身。平成10年宝塚歌劇団入団。11年1月宙組に配属。12年「砂漠の黒薔薇」新人公演で初ヒロイン。13年8月花組に組替え。14年10月「エリザベート」新公でタイトルロールに挑戦。16年の「LaEsperanza」で新公卒業。17年9月の東京・日生劇場公演「ErnestinLove」でもヒロインを演じた。今年2月専科へ異動。「コパカバーナ」の星組、宙組公演にコンチータ役で出演。11月13日付で星組の娘役トップに就任した。
趣味は役作り関連の映画を見て音楽を聴くこと。女優のモニカ・ベルッチとキャサリン・セダ・ジョーンズが「私の女神」という。