産経Webへ戻る
ENAKってどういう意味? | お知らせ | 新聞バックナンバー購入 | 問い合わせ | リンク・著作権 | MOTO | 産経Web
全組の記事インデックス花組の記事一覧月組の記事一覧雪組の記事一覧星組の記事一覧宙組の記事一覧専科の記事一覧
星組娘役トップ 白羽ゆり
自分を探しながら成長中 等身大のヒロイン模索
8月5日(土) 大阪夕刊 by 平松澄子 photo by 彦野公太朗
となみちゃん 透き通るような肌の白さがまぶしく、華やかでやわらかい雰囲気の中に、リンとした強さもかいま見える。

「私、常に演じている役が、そのときの自分に反映しちゃうんです」という。今は「愛するには短すぎる」(11日初日、宝塚大劇場)のバーバラ。大西洋横断の豪華客船の船上を舞台にした4日間のつかの間の恋を、切なく美しく描く物語である。

「バーバラはほとんど等身大の女の子。船でフレッド(湖月わたる)と出会い、幼なじみだったことが分かって心がふれ合う。フレッドの友人のアンソニー(安蘭けい)からも一目惚れされて、微妙な心の揺らぎも感じるんです。劇的な出来事があるわけではないけれど、バーバラ的にいろんな経験をして今があるだろうと思う背景を考えて、人物像を掘り下げないと舞台に立てない。難しいです」

大きな瞳をクリクリさせながら、懸命に説明する。

★ ★ ★

となみちゃん 三人姉妹の末っ子。「ベルサイユのばら」(平成元〜2年星組)を見て宝塚ファンになり、白城あやか(元星組娘役トップ)にあこがれてタカラジェンヌを目指した。

星組とは不思議な縁で結ばれていたらしい。昨年2月に雪組から星組に組替えになり、9月にトップスター・湖月わたるの相手役として、娘役トップに就任。いきなり“ベルばら”のヒロイン、フランス王妃マリー・アントワネットという大役でデビューする。全国ツアー公演を皮切りに、11月の韓国ソウル公演、今年正月からの宝塚大劇場お披露目公演、4月2日千秋楽の東京宝塚劇場公演まで、まさに“ベルばら”一色だった。

「夢が叶って、うれしいし、ありがたい。でも、そんな気持ちより、主演娘役という立場よりも、“ベルばら”を成功させなければ! ってプレッシャーがすごく、無我夢中でした」

となみちゃん 次の作品はガラリと変わって、海外のミュージカル・コメディー「コパカバーナ」(6月、大阪・梅田芸術劇場メインホール)。2役をコケティッシュに演じ分けた。「今では、なんて楽しい作品だったんだろうって思います。でも私、やっているときはいつも必死で、いっぱいいっぱいなんですよ」

大劇場2公演目となる「愛するには短すぎる」は、ロマンチック・レビュー「ネオ・ダンディズム!」との2本立て。トップの湖月はこれで退団する。

「娘役は男役さんに尽くすのがベースだと思いますが、私は稽古場でもがくタイプ。それを“ザ・男役”の湖月さんは、いつでも、どんな角度からでもやさしく受け止めてくださる。すべてに大きな方。退団されるのはホントに切ないですね」

★ ★ ★

となみちゃん ひとつの公演が終わり、休みがとれると必ず旅行に行く。

「私は演じる役柄を通して、いろんなことを学ばせてもらっているし、女性として、人間としてどんどん成長していきたい。でも、自分自身が一番未知なんです。だからリフレッシュを兼ねた自分探しみたいなところがあって。また次の舞台への意欲がわいてきますね」

とにかく今は舞台に夢中のようで、どんなことでも舞台に結びついてしまう。

「私は人が好きで、いろんな方とからんでお芝居をするのが好き。今後やりたいのは黒塗りの役で、カルメンみたいな情熱的な女性。たぶん、自分には一番遠いだろうと思う役を演じてみたいんですよね」

産経Webは、産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
(C)2006.The Sankei Shimbun All rights reserved.

ここは宝塚記事のページです

記事関連情報

「愛するには短すぎる」公演詳細は公式サイトで

【プロフィル】しらはね・ゆり 福島県出身。平成10年初舞台。翌年月組に配属され、12年7月の宝塚バウホール「更に狂わじ」のみづのえ役で初ヒロイン。13年7月雪組に替わり頭角を現す。14年5月「追憶のバルセロナ」新人公演のイサベル役で初ヒロイン。16年東京・日生劇場「花供養」で専科スター・轟悠を相手にヒロインのお与津御寮人を好演する。17年2月星組に組替え。同9月全国ツアー公演「ベルサイユのばら」より、檀れいのあとを受けて娘役トップに就任。愛称・となみ。

「愛するには短すぎる」「ネオ・ダンディズム!」公演は、宝塚大劇場=8月11日−9月18日▽東京宝塚劇場=10月6日−11月12日。

公式サイトはこちら