花組 桜乃彩音:宝塚ファンタジア 夢の小部屋
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表情豊か “ネコ派”の私
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3月28日(火) 大阪夕刊 by 奥地史佳 |
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幼い頃の夢は、ピアノの先生か幼稚園の先生。「他にもたくさんあったけれど、今の自分の姿は全く想像がつきませんでした」という |
携帯電話の着信音は猫の鳴き声。寮でも同期生の部屋に“お邪魔”していることが多く、「よく『猫みたいだね』といわれます」と笑う。
今春から花組の主演娘役として、先輩の春野寿美礼(すみれ)と新コンビを組んでいる。新しいパートナーからのアドバイスの一つが「部屋で公演のダンス曲をよく聴く」。単に振り付けをなぞるだけでなく、繰り返し曲を聴くことで、自然に感情の波が出てダンスにも投影されるという。
「春野さんに教えていただいた内容はノートにつけています。毎日楽しく、勉強になることばかり」
もう一つ、以前から取り組んでいる役づくりが「手紙」。宛先は舞台の相手役や周囲の登場人物。演じる役の気持ちになり、その場にある紙にペンを走らせる。
稽古を重ねるにつれて変化していく気持ちを紙に綴り、具体的につかんでいく。そんな出すことのない“ラブレター”は2日に一通のペースでできあがる。
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで公演中のミュージカルドラマ『アパルトマン シネマ』で演じる元アイドルのアンナは、わがままで感情の起伏が激しい女性。だが、春野が演じる殺し屋ウルフと接することでだんだんと変化していく。
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ホテルに宿泊している個性豊かな登場人物らが繰り広げる『アパルトマン シネマ』。最後まで目が離せない |
「本当のアンナは、素直で自分の弱さを隠して頑張っている女性だと思います。棘々しさが取れ本来の姿に戻っていく様子を表現したい」
たった一人の女性の中にもさまざまな性格がひそむ。それを演じ分けるために、技術と内面を磨く努力を欠かさない。見開いたり、細めたり…。豊かな表情を生み出す目に、吸い込まれそうになった。
◆◆◆さくらの・あやね 岡山県出身。平成14年『プラハの春』で初舞台。同年花組に配属される。15年バウホール公演『二都物語』のルーシー・マネット役で初ヒロインを演じる。現在梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで公演中の『アパルトマン シネマ』が春野寿美礼とのお披露目公演。身長163センチ。愛称は「あやね」
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大阪本社が発行する毎週金曜日夕刊の「タカラジェンヌ 夢の軌跡」。毎月ひとりのタカラジェンヌを取り上げ、平松澄子記者がじっくりと話を聞きます。
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