|
宝塚歌劇団月組 彩乃かなみ
|
| | |
ピュアに輝く娘役トップ
|
| | |
「全員がそろったおけい古場で、80人もの目がこちらに向けられる。そんな立場の緊張感を感じています」。月組の新トップスター、瀬奈じゅんの相手役の娘役トップとして、宝塚大劇場のお披露目公演に臨む今の心境を、こう表現した。
新トップ・コンビのデビュー公演は、7月の大阪・梅田芸術劇場メインホールでの「Ernest in Love」。アメリカのミュージカルを大胆に潤色した軽いタッチのコメディーで、彩乃は歌と芝居のうまさが光る好演だった。
「笑いに満ちた作品で、出演者も少人数(28人)でしたし、楽しかったです。ただ、組全体の公演となるとまた違った迫力がありますし、責任の重さも大きくなりますね」
入団3年目で宝塚バウホールや新人公演のヒロインをつとめるなど、ヒロインの経験は抱負だが、トップで迎える大劇場公演はやはり心構えも異なるようだ。
◆◆◆
お披露目公演は「JAZZYな妖精たち」と「REVUE OF DREAMS」の2本立て。「JAZZY−」はアイルランドの孤児院で育った5人の若者たちの夢を描くファンタジーで、彩乃は童話作家をめざすシャノンを演じる。
「妖精の存在を本当に信じている娘で、彼女の純粋さが作品のポイント。子供っぽくならずにピュアさを表現することが必要なんです」。また、プロローグとフィナーレでは本格的なアイリッシュ・ダンスも披露。「宝塚では初めてだそうで、フォーメーションの美しさを大切にしたい」という。
ショーでは対照的に、いろんな女性の顔を見せる。「どれだけ変化を出せるかが課題。音楽がとてもノリがいいんです」と抱負を述べた。
◆◆◆
華やかさとやわらかさを併せ持つ実力派の娘役トップ。これまで順調にステップアップしてきたが、じつは花組から宙組に組替えのときは大ショックだったという。
「『なんで私が!?』ってすごく落ち込みました。でもけい古に入ったとたん、そんな考えは吹っ飛んで、宝塚は組が違っても一緒なんだと思えたんです。そのワンクッションがあったので、今度は月組で、また新しい人たちとのつながりが楽しみですね」
瀬奈とは花組で一緒だった時期があり、瀬奈の宝塚バウホール初主演作品「マノン」(平成13年)で相手役をつとめた縁もある。
「根本的には変わってらっしゃらないけれど、すごくオーラが大きくなって、自然に周りを包んでくださるようなぬくもりを感じます。しっかりついていきたいと思っています」
最高に輝く時と場を得て、さらに目指す理想は?
「私はいつも、見て学ばせていただける上級生に恵まれていました。こんどは下級生に見られて、恥ずかしくない自分でありたい。常に可能性を求める舞台人でいたいですね」
|
| | | | | | | (C)2005.The Sankei Shimbun All rights reserved. |
|