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花組東京公演始まる
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しっとり、ヒリヒリ大人の物語
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宝塚歌劇団花組「ミュージカル『マラケシュ・紅の墓標』」(作演出・荻田浩一)「グランド・レビュー『エンター・ザ・レビュー』」(作演出・酒井澄夫)東京公演が27日、東京・日比谷の東京宝塚劇場で始まった。7月3日まで。9月に退団する専科の樹里咲穂が特別出演。本公演はこれが最後の舞台となる。
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「エンター・ザ・レビュー」第10場我が心のアランフェスにおける春野寿美礼(右)と樹里咲穂=27日、東京宝塚劇場 |
「マラケシュ・紅の墓標」は、1920年代の北アフリカ・モロッコの都市、マラケシュが舞台。当地のホテルに滞在している謎めいた男リュドヴィーク(春野寿美礼)は、行方不明の夫を探してやってきたロシア人女性オリガ(ふづき美世)と出会う。ともにパリで心に受けた傷を持つ2人はしだいに惹(ひ)かれ合い、共に新しい人生を夢見るが…。
夢と挫折とが交錯する大人の物語。しっとりを心を通わすリュドヴィークとオリガを待ち受けるのはヒリヒリと苛酷な運命だが、希望に包まれて物語は終わる。
「エンター・ザ・レビュー」は、レビューの原点でもあるパリの香り豊かな作品。音楽が圧倒的にすばらしい。また、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」に乗った春野と樹里のダンスもかっこうよい。トップスター、春野の女役も話題。
宝塚大劇場公演は、第91期生47人の初舞台生の初々しい口上とラインダンスがあったが、東京公演は花組生徒のみの公演になる。
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「エンター・ザ・レビュー」第2場Dで女役にふんしたトップスター、春野寿美礼=27日、東京宝塚劇場 |
同日は、開演に先立つ午前、劇場内で舞台稽古が行われ、続いて劇場内で春野が記者会見。「千秋楽まで力を合わせて演じます」と力強く語った。
■春野寿美礼会見
(大劇場公演は)初舞台生を含めてのスタートでしたが、東京は花組のメンバーだけで公演しますが千秋楽まで力を合わせて、楽しんでいただける舞台を作ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
──「エンター・ザ・レビュー」の女役は見所のひとつかもしれませんが
ふふ。大劇場の初日に初めてお客様の前に登場したときの気持ちと大劇場のほうの千秋楽近辺とそして今、東京にきての気持ちとは、まったく違います。初めのころは照れがあり、それをも演技にしてしまおう。女性の恥じらいみたいなものを利用して表現しようと思っていましたが、回数を重ねるごとに慣れてきました。(パリの名門キャバレー)ムーランルージュのエトワールといったらかれんな娘役というよりどっしりとした女役というイメージ。少しでもそれに近づくことができたら、と思っています。
──かつらは複数用意されているとか。頻繁に変えるのですか?
はい。えー、日替わりでいけたら、いきます。
──「マラケシュ・紅の墓標」は久々に大人の男を演じます
そうですね。出演者全員が進化し、いろんなことを考えさせられながら演じている状況です。この舞台は雰囲気がエキゾチックというか、普通の空気ではないので、(登場人物の)ひとりひとりがどういう思いをもって生きているか。願望だとか、背負ってきたものだとかを明確にお客様に伝えられたらいいなと思います。
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