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彩輝直 退団公演「エリザベート」大劇場公演千秋楽
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「すべてのみなさまに感謝」笑顔で大劇場にさよなら
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宝塚歌劇団の月組トップスター、彩輝直の退団公演「エリザベート〜愛と死の輪舞(ろんど)〜」が21日、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)で千秋楽を迎え、彩輝は平成2年の初舞台以来、15年間親しんだ本拠地に別れを告げた。
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さよならパレードでファンに手を振る月組トップスター、彩輝直=21日午後6時45分、宝塚市 |
ひときわ力の入った千秋楽の公演のあと、サヨナラショーはまず、「ベルサイユのばら」のオスカルに扮した彩輝がセリ上がり「愛の巡礼」を歌う。次いで「ベルばら2001」(13年の宙組公演)の映像が編集して流され、彩輝が役替わり出演したオスカルとアンドレが同じスクリーンに登場して客席から笑いが起こった。する
と、舞台上にはアンドレの姿に変身した彩輝が登場して「白ばらの人」を歌うという趣向だ。
“ベルばら”シリーズは彩輝と同時退団するベテラン娘役の美々杏里にバトンタッチされ、「青きドナウ」のあと、初風緑(専科)とのデュエットで「愛あればこそ」へ。
このあと、彩輝がトップになって初主演した「ジャワの踊り子」(16年の全国ツアー)から「ガルーダ」のダンス、この公演を最後に宙組に異動となる娘役スターの紫城るいとのデュエットで「我が愛は山の彼方に」(11年の星組博多座公演)から「桃の花」〜「チュクルの恋」。トップ披露公演「飛鳥夕映え」(16年、宝塚大劇場)から「夕映えの飛鳥」。そしてにぎやかな「タカラヅカ絢爛」(同)へ−と、思い出深い作品の歌やダンスを次々に披露した。
次期トップに内定している瀬奈じゅんが黒燕尾姿で「月の光〜絢爛」を歌って、白いパンツドレスに着替えた彩輝を招くと、ラストソングで米のソングライター、キャロル・ベイヤー・セイガーが書いた「I'd rather leave while I'm in love」となり、ペンライトの揺れる中で♪時は流れてもぼくは変らない だからサヨナラは言わない あなたを愛しているから…と歌った。
大階段を降りてきた姿は黒紋付に緑の袴の正装。瀬奈と、同期生の樹里咲穂(専科)から白い蘭の花束を贈られ、「彩輝直は宝塚で生まれ、育ててもらった。すべてのみなさまに感謝の気持でいっぱいです。ありがとうございました」と笑顔であいさつ。
全員で「すみれの花咲く頃」を合唱したあと、ファンの拍手が鳴り止まず4度のカーテンコールを繰り返した。
退団会見の席に臨んだ彩輝は「無事に千秋楽を終えて、ホッと安心しました。次の東京公演に向けて精進していきたい」とすがすがしい表情。
朝の最後の楽屋入りのとき、月組の全員が昨年の大運動会で優勝したときの白いジャージーとアフロヘア姿で迎えてくれたそうで、「最初に配属になった月組に再び戻り、短い間でしたが充実したときを過ごせたことをうれしく思います。何度も涙がこみあげましたが、最後までしっかりしなくては、とグッとこらえました」と話した。
ただ、退団後についての質問には「いまは言えることはありません」と答えなかった。
恒例の手形モニュメント型取式に続いてのサヨナラパレードは、白い花を飾ったクリーム色のロールスロイスのオープンカーが用意され、約4500人のファンの「サエちゃーん(彩輝の愛称)、15年間ありがとう」のエールに送られて大劇場を後にした。
なお、同じくこれが最後の大劇場公演となる美々は真っ赤なバラのブーケをかかえて、「退団を決めてから、過ぎ行く一瞬、一瞬がいとおしくて…こんなにも宝塚を愛していたんだと痛感しています」とあいさつした。
2人は東京公演(4月8日〜5月22日)の千秋楽で退団となる。
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