|
指揮者 矢部豊:すみれの園を創る人たち
|
| | |
出演者、演奏、指揮の呼吸合えば快感
|
| | |
第91期生の初舞台となる春恒例の宝塚大劇場花組公演(25日−5月9日)で、グランド・レビュー「エンター・ザ・レビュー」の音楽指揮を担当する。
「初舞台生のロケットの指揮をするのは初めて。みんなしっかり訓練されているから、けっこうやりやすいんじゃないかな」
スキンヘッドがトレードマーク。「宝塚歌劇の魅力は豪華絢爛(けんらん)な衣装と照明、トップのカリスマ性。それにやはり、生で演奏していることですね」という。
◆◆◆
昭和28年福井県生まれ、大阪育ち。46年大阪市立西商業高校卒。バンドボーイからジャズバンドのプレーヤーを経て、56年に宝塚歌劇オーケストラに、サックス、クラリネット担当として入団した。
「ぼくの音楽経験は、小学校の鼓笛隊から始まり、中学・高校はブラスバンドで主に木管楽器を担当していました。宝塚には先にギターの先輩が入っていて、欠員ができたのでオーディションがあるから受けてみないか、と誘われたんです」
初めて担当した舞台は、宝塚初体験でもあった日本物の「小さな花が開いた」(56年)。「きれいだったし、ぼくの好きな人情芝居だったので強く印象に残っています」という。
プレーヤーから指揮者に転向したのは平成14年。
「オーケストラ内の配置転換でやってみないかと言われて。すごく悩みましたが、まぁ、気持ちを切り替えて世界を変えるのもいいかなと」
東京芸大の佐藤功太郎主任教授に師事して1年間、指揮者の研修をしたあと、15年「レビュー誕生」で指揮デビューした。
「研修はクラシックが基本だったのでキツかったです。指揮は技術的なことより、みんなを束ねる気合、雰囲気作りが大事と学びました。デビュー作では舞い上がって頭が真っ白になったこともありましたが、出演者とプレーヤー、そして指揮の呼吸がバチッと合うときが、一番快感で幸せを感じますね」
昨年は「1914/愛」「ファントム」など4作品を担当。
「まだまだ勉強ですが、楽しく指揮を振りたいと思っています」
|
| | | | | | | (C)2005.The Sankei Shimbun All rights reserved. |
|