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雪組 舞風りら:TV navi Stars of 宝塚
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バウではじっくり芝居作り
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──2月13日まで東京公演中だった『青い鳥を捜して』では、失恋をする度にアルコール依存症になりかけてしまった過去を持つヒロイン・ケイト役という、宝塚には珍しい設定でしたね
■舞風りら ケイトは特別個性のある人物ではなくて、弱い部分を持ったごく普通の女の人。それを表現するのが難しいなと思ったのが台本を頂いてからの第一印象でした。周りに個性的な役が多い中でどうやってケイトの色を出していくか、あまり作りすぎてもケイトにならないし、そのあたりの兼ね合いが難しかったですね
──ほんの出来心から主人公・ジェイク(轟悠)に嘘をついて彼を傷つけてしまう、そのあたりの心の揺れがケイトの見せ場だったように感じましたが
■舞風 何度もケイトは真実を言い出そうとするのですが、今の幸せが自分の手から逃げてしまいそうでなかなか言い出せない、そんなもろい部分もケイトの魅力かなと思いました。ただ嘘をジェイクに告白したとき『これ以上僕の人生にかかわらないでくれ』と言われてしまって、本当に彼のことが好きだったのにお金目当てで近づいたと誤解されているのでは? なんてふと感じて、舞台袖ですごく悲しくなったりして。日々いろいろなことを感じられる公演でした
──今回専科から轟悠さんが特別出演されましたが、一緒にお芝居されていかがでしたか? 主演コンビ(雪組主演男役は朝海ひかる)を組むと、それ以外の方が相手役になるケースはかなり稀のようですが…
■舞風 やはり初めてお芝居させていただく方でしたし、最初は私で大丈夫かしらってすごく心配だったんです。朝海さんとは2年ちょっと一緒に組ませていただいて、お芝居のもっていき方や呼吸だとかが、なんとなくですがわかってきていたので…。でもすごく自由にやらせていただく中で『ここはもうちょっとこうした方がいいんじゃない?』なんていうアドバイスをお二人からいただいたり、とても有難いことでしたし勉強にもなりました
──併演のショー『タカラヅカ・ドリーム・キングダム』は演出家担当の3人の個性が生きていた楽しいショーでした
■舞風 それぞれ3人の先生方が、雰囲気のまったく違う物語を作られていましたので、どの場面もとても好きでした
──ショーの中で舞風さんが着ていた衣裳がどれも美しかったです。宝塚の娘役さんは、衣裳に合わせたかつらやアクセサリーをご自分で用意されるんですよね
■舞風 はい。なので舞台稽古の前が忙しいんです。デザイン画をいただいてからだいたいのイメージを作りますが、本格的に考え出すのは仮縫いのあとからです。やはり実際に着てみると頭で考えていたこととは違ってくるので…。参考にするのは、普段町を歩いていてパッと目についた髪型やアクセサリーなどが多いです(笑)
──東京公演が終わって、すぐ大阪・東京・福岡3都市での公演『睡れる月』が控えていますね
■舞風 室町時代の軍記ものをベースにしているという、時代的にも素材的にも珍しい作品です。朝海さん扮する浜松中納言の婚約者、大君を演らせていただきます
──バウホール公演や『睡れる月』のような特別公演は、じっくりとお芝居に取り組むことができるのでは?
■舞風 そうですね、通常の大劇場公演はお芝居とショーの2本立てなので、やるべきことがすごく多いんです。お芝居も1時間半の中でまとめなくてはいけないから、お話の進むスピードも速めですよね。それから比べるとバウやドラマシティといった公演は演出の先生もじっくりとお芝居を作られますから、その上で役を作っていくのはとても楽しいです。もちろん苦しい部分もありますが(笑)
──3都市での長丁場公演、がんばってください!
■舞風 ぜひたくさんの方に見にきていただきたいですね
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