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花競かぶき絵巻 華やかレビュー形式
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平成若衆歌舞伎とタカラジェンヌが舞いくらべ
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上方歌舞伎のホープ、片岡愛之助を中心に、関西を拠点に活動する若手俳優が年に一度、大阪・茶屋町の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでエネルギッシュな舞台を繰り広げる「平成若衆歌舞伎」。今年は宝塚歌劇団月組の人気男役スター、霧矢大夢らの特別参加で、華やかな踊りが織り込まれた「花競(はなくらべ)かぶき絵巻」を上演する。
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「歌舞伎の音楽と宝塚的な音楽、両方を取り入れて楽しさを出したい」と話す演出・出演の片岡秀太郎を囲んで、主演の片岡愛之助(右)と霧矢大夢(左) |
「平成若衆歌舞伎」は、上方歌舞伎のベテラン、片岡秀太郎が、関西の若手にもっと活躍の場を与えたいと、平成14年に旗揚げ。愛之助を筆頭に、上方歌舞伎塾の卒塾生たちが中心となって、毎夏、現代演劇の劇場であるドラマシティで若さと情熱あふれる創作歌舞伎を上演し続けている。平成若衆歌舞伎とは、江戸時代に人気を呼んだ前髪の美少年たちの“若衆歌舞伎”からとったネーミングだ。
「花競かぶき絵巻」は第4弾。昨年の「義経と知盛」をはじめ、これまで古典をもとにした創作歌舞伎を上演し続けてきたが、今回初めて、踊りや歌がたっぷり入った、華やかで楽しいレビュー形式の作品にした。「ドラマの中にショーが入ったパーッと明るいものをやりたかった。特に歌舞伎の大切な要素である踊りの楽しさを存分にお見せしたい」と、演出の秀太郎はいう。
物語は、京の四条河原を舞台に、華やかな踊りで人々を魅了していた出雲のお国一座と、お国一座に代わってやがて一世を風靡(ふうび)する大伴新3率いる若衆歌舞伎の対立、お国と新3の淡い恋、友情などを、歌舞伎400年の歴史の始まりと交錯させながら描いてゆく。
豊臣軍の残党の新3が、「剣をとるより、扇をとれ」と能楽師にさとされ、仲間の若者7人と若衆歌舞伎を結成。当時人気のお国一座に芸で立ち向かっていく姿がつづられる。作・岡本さとる、振付・山村若。
新3に愛之助、お国に霧矢がふんし、若衆歌舞伎を歌舞伎俳優が、お国一座をタカラジェンヌ9人が演じる趣向。両方の踊りとショーが交互に展開し、フィナーレで同じ舞台に立つ。
愛之助は「侍だった若者たちが、歌舞伎役者になってゆくさまが見どころのひとつです。歌舞伎の華やかさ、宝塚の和物の良さがタイトルの“花競”のように競いあえれば。ひとコマひとコマが美しい絵になるよう、つとめたい」と抱負を語る。
一方、歌舞伎の舞台に初出演となる霧矢は「歌舞伎は400年の歴史があり、宝塚は昨年90周年を迎えました。その宝塚の伝統を背負って演じたい」と緊張の面持ち。「普段は男役ですが、今回は女性の役。色気はこれから勉強します」と笑わせた。
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