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「最後の日まで1日1日を大切につとめるだけです」
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ふづき美世が会見 退団の心境語る
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来年2月12日の花組東京宝塚劇場公演「落陽のパレルモ」「ASIAN WINDS!」千秋楽で退団することを明らかにした宝塚歌劇団花組の娘役トップ、ふづき美世が15日午前、兵庫県宝塚市の同歌劇団で会見して心情を語った。
淡いベージュ色のワンピースで現れたふづき。「来年2月12日の東京宝塚劇場での千秋楽をもって、歌劇団を卒業させていただくことになりました。最後のその日まで、全力投球で舞台をつとめさせていただきますので、よろしくお願いします」と、ていねいな口調であいさつした。
退団を決意したのは、最後の公演となる「落陽のパレルモ」「ASIAN WINDS!」が発表されたときだという。
「宝塚に入ると決めたときから全力投球で走ってまいりました。未熟ながら主演娘役の立場をいただき、そのころから、退団のときを決めなくては、という気持ちはありました。今、最高に幸せで、舞台に集中できて、充実感と満足感がいっぱいです。そのときにと、卒業を決意いたしました」
花組トップスターの春野寿美礼に報告すると、「最後までがんばってください」といわれたそうだ。
ふづきは埼玉県出身で、東邦第二高校から宝塚音楽学校に進み、平成7年に「国境のない地図」で初舞台を踏んだ。花組に配属され、早くも11年の「夜明けの序曲」新人公演で、ヒロインの川上貞奴を好演。楚々とした日本的な面差しの美しさが注目を集め、「源氏物語あさきゆめみし」(12年)、「ルードヴィヒII世」(同)と立て続けに新人公演のヒロインを演じた。ダンサーとしてもドイツ・ベルリン公演に参加したり、ショーで活躍。
13年9月に宙組に組替えになり、宝塚バウホール公演「エイジ・オブ・イノセンス」(14年)のエレン役で初ヒロインをつとめる。
その同じ年の12月に再び花組に戻り、トップとなった春野の相手役に抜擢された。大阪のシアター・ドラマシティ公演「不滅の棘」で2役を演じ分けたのを皮切りに、宝塚大劇場のお披露目公演となった「野風の笛」(15年)の五郎八姫役、全国ツアー公演「ジャワの踊り子」(16年)のアルヴィア役、宝塚歌劇90周年の幕開きを飾った「天使の季節」のマルゲリタ役など、清楚な娘役からしっとりとした大人の女役まで、幅広くこなした。
娘役として心がけているのは、「宝塚のモットーである“清く、正しく、美しく”を忘れず、相手役の男役さんに一生懸命付いていくこと、常に清楚できれいでいること」。
退団後の予定は「何も決まっていません。最後の日まで1日1日を大切につとめるだけです。そのあとで、機会があればいろんなお仕事をするかもしれないし、ご縁があれば結婚も考えたいと思っております」と答えた。
今後のスケジュールは、福岡・博多座公演「マラケシュ・紅の墓標」「エンター・ザ・レビュー」(8月2−24日)▽「ふづき美世ミュージック・サロン」(9月11・12日東京第一ホテル、同14・15日宝塚ホテル)のあと、退団公演となる「落陽のパレルモ」「ASIAN WINDS!」が宝塚大劇場で11月4日に開幕(12月13日まで)。その東京宝塚公演が来年1月2日−2月12日に行われる。
後任は発表されなかった。
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