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舞台照明家 勝柴次朗:すみれの園を創る人たち
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照明は舞台の最後の仕上げ
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「エリザベート」「世阿彌」などで昨年、第11回読売演劇大賞最優秀スタッフ賞を受賞した舞台照明の第一人者。オペラ、ミュージカル、ストレートプレー、コンサート、イベント…あらゆるジャンルで引っ張りだこだ。
宝塚歌劇でも新年第1弾として上演中の、宝塚大劇場宙組公演「ホテル ステラマリス」「レヴュー伝説」(31日まで)、宝塚バウホール花組公演「くらわんか」と、3作品すべての照明を担当。5年ほど前から、年間上演作品の約7割は手がけている。
「『ホテル−』はLEDを夜光虫みたいに使っています。レヴューは星の世界を表現しているのを見てほしい。みんなコンピューター操作ですが、ここ10年の機材の発達の勢いはすごい」という。
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昭和22年千葉県生まれ。東京デザイナー学院卒。43年に日生劇場のスタッフとして照明の仕事をはじめ、50年文化庁の在外研修で西独、英、米で勉強。幅広いジャンルの舞台照明を手がけ、57年にオペラ「虎月伝」で第1回日本照明家協会優秀賞を受賞したのを皮切りに大活躍している。
宝塚の舞台は、60年「テンダー・グリーン」「アンドロジェニー」が初めて。「岡田敬二さん(演出家)と知り合って、引きずり込まれたんです。宝塚は大勢の出演者やシーンの多さなど、他の舞台より難しくてすごく勉強になりますね。夢を売る舞台だから、スターはひたすら美しく、暗い場面でも出演者全員の顔が見えるように心がけています」
以後は、「キス・ミー・ケイト」「華麗なるギャツビー」「グランドホテル」「エリザベート」「王家に捧ぐ歌」「ファントム」…と次々に宝塚歌劇の代表作を担当。平成4年以降の海外公演もすべて手がけており、透明感がある色の美しさ、ドラマを的確に浮かび上がらせる照明プランには定評がある。
「照明は舞台の最後の仕上げ。その芝居を壊さないようにすることが大前提です。宝塚の魅力は大いなるマンネリ。どんな新しいことでも、“宝塚ワールド”になってしまう夢の世界ですね」
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