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星組 安蘭けい:タカラジェンヌ夢の軌跡(4)
黙っていてもスッとした男役を
12月16日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子
「ベルサイユのばら」で演じるアンドレ役
「ベルサイユのばら」で演じるアンドレ役
星組は来年、宝塚大劇場の「ベルサイユのばら−フェルゼンとマリー・アントワネット編」でスタートする(元日−2月6日)。安蘭にとって“ベルばら”は、平成3年の初舞台と13年「−オスカルとアンドレ編」のフェルゼン役に次いで3度目だ。

「宝塚といえば“ベルばら”といわれる代表的な作品。3回も巡り合えるのは縁があるし、幸運だと思います。ただ、前回のフェルゼンは貴族でホントに二枚目の役。私はそれまで色濃い、個性的な役が多かったこともあって、立ち姿、歩き方、顔の表情などすごいやりにくかった」という。

来年は大劇場でアンドレ、東京宝塚劇場ではオスカルと、変則の役替わりになる。

「アンドレもまた辛抱役なので、耐えていかねばと思っています。相手のオスカルは特別出演の5人が次々に変わるので、どういうふうになるのか楽しみ。東京でのオスカルは“ベルばら”を象徴する役だから、演じられるのはラッキーですね。いろんな人のオスカルを見たあとになるので、自分なりのオスカルを確立したい。そのあと雪組の東京公演(オスカル編)では、またアンドレ役で客演するんですが…もう、頭の中がグチャーとなりそう」と笑った。

充分な実力を備えキャリアを重ねているが、「舞台人としてまだ築けていない部分を確立させて、黙っていてもスッとした男役ができるようになりたい。寡黙な役、明るい役、スーツもの、ハードボイルドタッチな作品など、やりたいことはいっぱいありますね」と貪欲だ。

男役の魅力は「架空のありえない男性像を自分で作り上げ、演じられるところ」。宝塚の魅力は「夢がたくさんつまっているところ。私は宝塚でいろんな人に出会い、いろんなことを学んだし、いまでもずっと勉強ができる。これからは先輩から学んだことを、下級生にいっぱい教えてあげたい」と答えた。 (おわり)

次回は雪組の貴城けいです。


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