星組 安蘭けい:タカラジェンヌ夢の軌跡(2)
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組替え後、新境地開く役に出逢う
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12月2日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子 |
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「雨に唄えば」のドン・ロックウッド役 |
宝塚バウホール公演の初主演は平成10年の「ICARUS(イカロス)」。詩的で幻想的な作品で「人間ではない魂みたいな役作りが難しかった」というが、キャラクターにぴったり合って、作品ともども好評だった。
往年の名作ショーの再演「ノバ・ボサ・ノバ」をへて、12年8月に雪組から星組へ組替え。「ショックでしたね。『ノバ−』では同期3人(朝海ひかる、成瀬こうき)が役替わりで演じていて、すごく楽しかったんです。いつかはバラバラになるけれど、まさか私が組替えになるとは思わなかった」
そのすぐあとの10月、バウで「花吹雪 恋吹雪」に主演。安土桃山時代の大盗賊、石川五右衛門という宝塚では異色の骨太な主人公を熱演した。「最後は釜ゆでにまでなりましたからね。私は少年役が多かったので、なかなか大人になりきれなかった。それが新しい組で新境地を開けるかなと思ったときに、この役をいただいてラッキーでした」
なぜか、日本物の作品に縁がある。「雪組のときも多かったし、星組での最初の作品も『花の業平』。日本物からのがれられないなって感じですかね。日舞は音楽学校でしかやったことがないんですが、立ち回りも大好きです」という。
その後、「ベルサイユのばら2001〜オスカルとアンドレ編〜」のフェルゼン、「プラハの春」のヤン・パラフ、第2回中国ツアー公演、「ガラスの風景」のミラー警部を経て、15年5月、東京・日生劇場公演「雨に唄えば」で主演を果たす。映画でもおなじみの軽快なタップダンスが印象的なアメリカのミュージカルで、映画スターのドン・ロックウッドを演じ、代表作のひとつになった。
「私はそれまで、コメディーもブロードウェー・ミュージカルも当たったことがなくて、すごくやりたかったんです。やっているときは無我夢中だったけれど、底抜けに明るいミュージカルだったし、タップや雨の中で歌うことなど、いろんな挑戦ができて楽しかったですね」(つづく)
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