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花組 愛音羽麗:宝塚ファンタジア 夢の小部屋
新しい自分 可能性への旅
12月13日(火) 大阪夕刊 by 奥地史佳
ダンディズム探究 宝塚以外の舞台へもよく足を運ぶ。「男性の演技は、男役の参考になります」と休日も研究を欠かさない


「住んでみたいと思うぐらいに好きな国」がイタリアだという。

「華やかな街から一歩、歴史のある教会へ入ると、荘厳な雰囲気に心が安らぐんです」

モノトーンのストライプスーツにカメオのネックレス。豪華さを漂わせながらも落ち着いた雰囲気が、インタビューの言葉に重なる。

13日が最終日の大劇場での舞台『落陽のパレルモ』は、そんなイタリアの19世紀半ばの統一をめぐる物語。激動の時代に生きる貴族と民衆の許されざる愛を描く。

演じているのは、シチリアの貧しい村に生まれた青年リカルド。人々が平等に暮らすことができる社会を目指し、義勇兵として革命軍に参加する。銃を持つ戦闘場面では「燃え上がる民衆の不満や怒りを、力強く表現できる役作りを目指しています」と説明する。

衣装にときめき 舞台『落陽のパレルモ』。凛とした軍服や華やかなドレスなど“コスチューム物”と呼ばれる宝塚の魅力が堪能できる


名曲の系譜 ショー『ASIAN WINDS!−アジアの風ー』では、昭和の名作曲家・服部良一氏の作品が現代風にアレンジされている
名曲の系譜 ショー『ASIAN WINDS!−アジアの風ー』では、昭和の名作曲家・服部良一氏の作品が現代風にアレンジされている
趣味の一つが旅行。宝塚作品の舞台として頻繁に登場するヨーロッパの国々に出かける。「その国の歴史や文化を知ることで、より深く作品に感情移入できます」。シチリア島を訪れたことはないが「ぜひ行ってみたい場所」という。

同時上演のショー『ASIAN WINDS!−アジアの風−』は、平成12年に発表された『Asian Sunrise』に続くアジアを舞台にしたオリジナル・レビュー。日本を始め、中国や韓国などアジアの国々を歌とダンスでめぐる。

『Asian Sunrise』の公演ビデオには、舞台の端でがむしゃらに踊る自分の姿があった。「あの頃はただ舞台に立てるだけで嬉しかった。今はお客様を魅了できるよう意識しています」と語る。

来年は初舞台から10年目。「自分を決まった型にはめるのではなく、新しい役にどんどん挑戦し可能性を広げていきたい」。舞台人の魅力を探究する「旅」は続く。

あいね・はれい 大阪府出身。平成9年『仮面のロマネスク』で初舞台。翌年花組に配属。平成12年、ドイツ・ベルリン公演に参加。平成14年『エリザベート』新人公演では、ルドルフ役を演じる。平成17年のバウ公演では、上方落語を題材にした『くらわんか』で主人公の85郎を熱演。身長168センチ。愛称は「みわっち」


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