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雪組 壮 一帆:宝塚ファンタジア 夢の小部屋
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スターの責任と自覚
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『さすらいの果てに』は宝塚本来の魅力に満ちた作品と話す壮一帆。「出ずっぱり、踊りっぱなし、歌いっぱなしの壮を楽しみにしてください」と笑顔を見せた |
宝塚バウホールは定員約500人の小劇場。客席と舞台が近いため、観客には役者の息遣いまで伝わり、双方に緊張感が生まれる。
雪組の壮一帆は、バウ・ロマン『さすらいの果てに』で主役の英国の青年将校、ジェフリーを演じる。
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華麗な舞 『さすらいの果てに』のフィナーレ、華麗な衣装でステージを舞う |
無実の罪を着せられて死んでいった父の敵討ちが芝居のテーマ。常に生と死が隣り合わせる戦場での体験が、復讐に燃える彼の心を成長させていく。「まだ若いジェフリーが父の復讐や戦争を通じて、自分の弱い心を克服していく姿をしっかりと表現したい」とけいこに取り組んだ。
◆◆◆
総勢15人の舞台は休む間もない忙しさ。立ち回りでは、斬られに斬られて、1シーンで3回は斬られる。下級生が多く、1人2役は当たり前。多いと4役、時には娘役が兵士を演じたりもする。そんな忙しさがチームワークを固めていった。
けいこが始まった頃には「男役より娘役のほうがしっかりと踊っていると先生に指摘されて、負けられないと思った」という。その悔しさが彼女の心に火をつけた。男役の下級生には言葉で説明しながら、実際に演じてみせることで、男役としての見せ方をアドバイスした。「若い人は吸収力がすごく、言った倍のことを理解してくれる」とそのエネルギーに舌を巻く。
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りりしい姿 深紅の軍服をまとい、りりしい姿で青年将校ジェフリーを演じる。戦場の中で、悩みながらも成長していく姿を好演した |
主役としてメンバーを引っ張っていくという経験が、彼女自身をも大きく成長させた。「主役をきっちり演じることで、みんながついてきてくれた。自分が言ったことは、自分もきちんとやらなければと、責任感を自覚しました」と舞台人として大切なことを学んだ。
◆◆◆
大きな転機になったという、平成15年公演『Romance de Paris』で、クーデターを企てる野心家の社長、ディディエを演じた。「ディディエは今までで一番難しくて、一番好きな役でした」と話す。
役作りに悩んだ当時を振り返りながら、下級生にどう教えていけばいいかを考えたという。15人のメンバー全員に日々接することで、1人1人の新しい魅力に気づいた。「みんなの成長が目に見える、本当にすばらしい経験でした」と笑顔を見せる。主演としての責任感と情熱が、男役としての新たな魅力を開花させた。
◆◆◆
壮一帆(そう・かずほ) 兵庫県川西市出身。平成8年『CAN−CAN』で初舞台、花組に配属。同12年ドイツ・ベルリン公演に出演、雪組に組替え。同13年『愛 燃える』で新人公演初主演。同15年バウ・ワークショップ『春ふたたび』に続き同16年『送られなかった手紙』でバウ公演主演。身長170センチ、愛称は「そう」
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