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宙組 遼河はるひ:TV navi Stars of TAKARAZUKA
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さまざまな役を演じて、個性を追究
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──現在公演中(4月3日まで)の東京公演『ホテルステラマリス』(併演『レヴュー伝説』)では、シェフの役。衣裳が白いコックスタイルで、すごく目立っています
■遼河はるひ いわゆる作業着を舞台で着るのが初めてで、どうしようかとかなり考えましたね。食事に行っても、同じ格好をしている人がいるとジッと見てしまったり。どうやったらカッコよくなるのか、例えばエプロンが下の位置に来るので、そのバランスを考えて靴を選んだりもしました。あとは、厨房にいる登場人物の中で私だけイタリア人という設定なので、肌の色を少しだけ黒くしてみたり、シェフはホテルのお客様の前に出る仕事ではないですから、髪型もビシっときめないでナチュラルになどいろいろ研究してみました。
──宝塚の伝統的なエンビ服と違って、あまり前例のない衣裳は、それだけ研究の余地がありますね
■遼河 やはり宝塚の男役としてどんな衣裳でも着こなしを工夫していきたいし、そうやって研究していくのも自分の個性につながるのではないかと。ここは私も男役10年目ということで、いつもよりかなり考えました。
──新人公演(入団してから7年目までの生徒だけで行われる公演)を卒業されて、研究するだけの時間的余裕が出てきたということはありますか?
■遼河 時間の余裕ということではなくて、生活の中で役について、芝居について考える時間が増えたのだと思います。今まではただガムシャラにやってきただけだったところを、お客様に見られている意識をもう一段階高めたというか。360度どこから見られても常にいい表情で舞台に立ちたいと思いますし、あらゆる場面で自分なりの色を出していきたいという意識が、新人公演を経てからさらに強くなった気がしますね。
──今回、メイクも今までとは違った印象を受けましたが…?
■遼河 実は変えました。今回は少し薄めにしてみようと思って、家でもメイクの練習をしましたね。男役は衣裳の下に肩幅を広くしたりする「胴布団」というものを着るのですが、これも全部やり直しました。今変えないと、ワンステップ上には行けないなと思いまして。
──その成果が充分出ていたように思います。実際、とてもカッコいいシェフでしたから…
■遼河 ありがとうございます。そういった鏡を見ながらの作業は、本当に自分の欠点が明らかにわかります。周りからアドバイスされたり、自分で発見する欠点を克服していくことも大切ですよね。
──遼河はるひとして、目指している男役像、男役のラインというのはあるのですか?
■遼河 もっと下級生の頃は「ワイルドな男役を目指したい」って言ってましたが、最近はひとつのものを目指すのではなく、いろいろなカラーを出して、それを一度自分の中に取り入れた上で出てくるものが、私の個性なんじゃないかと思うようになりました。「こんな男役を目指す」ではなくて、公演ごとにさまざまなタイプの男役を演じていきたいです。
──では、5月にあるバウホール主演公演(『Le Petit Jardin(ル・プティ・ジャルダン)』)は、どんな役になりそうですか?
■遼河 演出の植田(景子)先生いわく、レストランの支配人で大きな器、大きな心の持ち主ということで、落ち着いていてスタッフからも信頼されている感じを出せればと。もちろんお芝居は後ずさりしないでどんどんぶつかっていこうと思っているのですが、ガムシャラにやりつつ余裕のある人物を演じるというのは…やはり難しいです。ただ今までは本当に一生懸命やっているだけだったので、この公演では力の抜けたカッコよさを表現できればいいなと思っています。ぜひ心がけたいです。
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