「バンコク」収録曲
1
.ひらけ!ドア!
2
.虎の兄(Feat. ナートイ・センべ) (「タイガーマスク」のテーマ※)
3
.片方だけの靴
4
.巨人の夢の中のフィオナ
5
.その日、あなたの涙 (Feat. Ko Mr.Saxman)
6
. 1日1語日本語講座
7
.戻って来ない
8
.なぜ笑うの?
9
.おデブちゃん
10
.バンコク
11
.DJ MAタイ語ラップに挑戦
12
.過去
13
.アヌ
14
.起きろ!!
15
.ドキドキ
16
. 違うのよ
17.
バンコクの路上にて
18
.探す feat.ジョーイ・ボーイ
19
.なりたい(スキット)
20
.オーキッド・メロディー
21
.予告
22
.コープ・クン(ありがとう)
以上、ユニバーサルミュージック公式サイトより
MAFは、2003年にデビューしたタイのヒップホップユニット。 アルバム「バンコク」(ユニバーサルミュージック/UICY3402/¥2,548)で日本デビューを果たした。「苦しい状況だって前向きに変えてみせる」。MAFの音楽は、そういう健全さと楽しさにあふれている。資料用の映像を見て、そんな3人の音楽にすっかり惚れ込んでしまったENAK編集長が、 早速、会いにでかけた。
text & photo by Takeshi Ishii/石井健
──
日本は、初めてですよね? 印象を聴かせてください
■ファー:
もう、帰りたくなくなっちゃいました。できれば、もう少しいたい。あちこち見に行くことはできませんが、仕事で毎日、新しい方にお目にかかるだけで、十分におもしろいですよ。気候もいいですし、ファッションも素敵です。
■アース:
町並みはきれいで清潔。1年もいたらあきちゃうかもしれないけど、でも、もうしばらくいてみたいな。本当は、温泉にいきたかったけど、時間がないからしょうがない。ホテルのバスでがまんしています。それに…日本の男の子はかわいいよね!
■マー:
ありがとう!!
MAFは、DJマーを中心に2001年に結成された。DJマーは、日本人。「なぞのDJということになっていますから」と、多くは語らないが、球技のセパタクローの勉強のためにタイに渡ったという。日本でDJをやっていたこともあり、タイの音楽の世界でも人脈を築き、ヒップホップユニットを結成することになった。
大地のような安定感ある体形のラッパー、アースは、弁護士を目指す私立大学生でもある。一方、169センチのすらりとした肢体が美しい歌手のファーは、哲学を学ぶ国立大学生。2人は、オーディションで選ばれた。そして03年、MAFは満を持してタイでデビューした。
MAFというユニット名は、3人の名前の頭文字を並べた。また、
M
ultiply
A
mity
F
oundation(友情を深める)という意味もひっかけているという。「それから、ママとパパ(
M
other
A
nd
F
ather)という意味も!…うそです」とは、ファー。
──
そもそもは、マーが作ったユニットなんですね?
■マー:
そうです。ヒップホップのユニットが作りたくて、知人のプロデューサーと相談してオーディションをしました。僕のほうは女の子のユニットを作りたくて、プロデューサーのほうは男の子のユニットをやりたかった。結局、プロデューサーチームが最終的に選んだのがこの2人だった。
──
セパタクローの勉強のためにタイに渡ったということですが? 日本人がタイに行って、いきなり、音楽活動ができるものなのですか?
■マー:
セパタクローのほうは、選手になりたいわけじゃなかったんですが…。他方、日本でクラブDJをやっていました関係で、次第にタイの音楽業界の人脈を築いた、という感じでしょうか。…一応、“なぞのDJ”ということになっているので、あまり詳しくはお話できないんです。
──アースとファーは、オーディションを受けたとき、日本人がリーダーであることをどう感じましたか?
■アース:
ふだん、マーのことを日本人だと意識することはありません。ただ、面倒見のいいお兄ちゃん。そう思っていますし、とても尊敬しています。彼はアイデアがすばらしい。改めて彼が日本人だと考えると、そのおかげでいろいろな機会がひろがっているのだ、ということができるしょう。あるいは曲のバリエーション、歌の世界が豊かになっている、とも思います。彼は私たちよりずっと大人ですから、そのことに対する遠慮もあります。いずれにしろ、視野も広いし、いろいろと教えてもらっています。
■マー:
その割には、アースには、いろいろと怒られますけどねえ。
■ファー:
DJマーと仕事ができることになったとき、「うわあ、すごい、格好いいじゃん」と思った。当時の彼は長髪で、まるでサムライみたいだったんですよ。知り合う前から、タイのクラブの世界では有名なDJだったんです。丁寧に考えて最高のものを作ろうとする人です。ひとつの例を挙げれば、「虎の兄」っていう曲のサビの部分。「虎にいさん」って叫ぶところがあるんですが、たったそれだけのことなのに、OKが出るまでに8時間もかけた。最高のものを作り出そうとすることに努力を惜しまない点は、尊敬すべきだと思います。
■アース:
そう! 8時間も録音に費やしたのに、結局は最初に録音した、ラフな感じのものが一番いいということになって! 8時間はただの練習に終わってしまったの!
──DJマーは、完全主義者?
■マー:
完璧主義じゃないですけど、自分たちの限界まではやってみよう、とは思います。
■アース:
ある程度までは、つきつめてみて、それでだめだったら、 別の方法を探す。そういうやり方ですね。
●
●
次を読む→
?2004.The Sankei Shimbun All rights reserved.