「RENT」の作者 もうひとつのロックミュージカル
「チック,チック…ブーン!」山本耕史主演で再演
大阪夕刊
大ヒットミュージカル「RENT」の作者で、夭折(ようせつ)したジョナサン・ラーソンが遺したもうひとつのロック・ミュージカル「チック,チック…ブーン!」が、11月に山本耕史主演で再演される。
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「30歳でもう一度やりたいという夢がかなった」という山本(中央)と愛内(右)、アドキンス |
30歳を目前にした売れない作曲家の夢、苦悩、葛藤(かっとう)、挫折などをつづったジョナサンの自伝的作品。主人公の頭の中で♪チック、チック…と鳴り響く時計の音は、まるで青春時代の終わりを告げる時限爆弾のように聞こえて…。
山本は「初演のとき、ぼくは26歳。今年10月31日に30歳になるので、再演はすごくタイムリーですね。ジョナサンと一緒に30歳を迎えられる気分。初演の自分に勝てるかの闘いになると思う。もう一度、一から作り直して挑みたい」という。
「RENT」の日本初演(平成10年)にも主演している山本は、ジョナサンに対する思い入れがひときわ強い。「ぼくが役者としての方向を定められた作品が『RENT』でした。ジョナサン自身は作品の成功を知らずに、もがき続けて亡くなっている。ぼくが彼の遺した2作品に巡り合ったのは、ぼくに託して伝えるメッセージがあるのではないかと感じるんです。世界の壁を飛び越えて、大切に演じて伝えていきたい」と熱い想いを語った。
出演者は3人だけのミュージカルで、ジョナサン役の山本のほかは初演と代わった。ガールフレンドのスーザン役は愛内里菜、ルームメートのマイケル役はゲイリー・アドキンス。2人はともに歌手が本業で、ミュージカルは初出演となる。
「デビューして7年。歌手としてやりたいことはひと通りやったので、歌の枠を超えて演じることに挑戦してみようと思いました。普段は大阪弁なので、標準語に気持ちを乗せるのが難しい。初々しい気持ちで演じます」と愛内。シカゴ出身のアドキンスは「俳優と日本語は大きなチャレンジ。ガンバリマス」と話している。
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